作らなきゃ損!いつもは捨てる「みかんの皮」でエコ薬膳

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こんにちは!国際薬膳師ライターのキョウです。薬膳に興味がある人なら、生薬ってちょっと気になりますよね。いつもは捨ててしまう食材の皮で、手軽に作れる生薬があるんです。それが今日ご紹介する陳皮です。

陳皮を知ろう

タダで作れる生薬「陳皮」

こたつでみかんって幸せですよね。皮をむいて白い筋を取って実を食べたら、あとはポイ!

…ちょっと待ったー!中医学では、みかんの実はもちろん皮も、白い筋も、タネも、葉もすべて役立つんです。

特に皮は陳皮(ちんぴ)として知られ、実より薬効があるともいわれます。漢方薬の中でも胃腸をととのえる健胃薬によく使用されています。身近なところでは七味唐辛子にも入っているんですよ。「陳皮」は市販されてはいますが、自分で作ればタダ!しかもカンタンに手作りできるので、この冬ぜひ作ってみましょう。

陳皮は効能いっぱい

陳皮の薬効は、薬膳では香りで気の巡りをよくしストレスを和らげるほか、胃の働きを活発にして胃もたれやげっぷ、食欲不振、咳や痰を解消します。また、気血の巡りを促すので、入浴剤として利用すれば血行促進も期待できます。栄養学でもさまざまな効能があるとされています。

みかんの効能
皮・薄皮・筋
薬膳
  • 気の巡りをよくし、胃腸を元気にする
  • 渇きを止め、肺の粘膜を潤す
  • 痰を取る
  • 気の巡りをよくし消化吸収を促進する
  • 気血を巡らせる
  • 余分な水分をのぞき、痰を取る
栄養学
  • 風邪予防や美肌効果のあるビタミンC
  • 疲労回復効果のあるクエン酸
  • 強い抗酸化作用のあるβクリプトキサンチン
  • 脂肪分解作用のあるリモネン
  • ビタミンCの吸収を高め毛細血管を強くするビタミンP
  • 中性脂肪を分解するヘスペリジン

陳皮は古い方がよい?

陳皮は素材によって効能に多少の違いがありますが、いずれも気を巡らせる作用があるとされます。

  • ●成熟した温州みかんの果皮を干したものが陳皮または橘皮(きっぴ)
  • ●未熟果皮を干したものが「青皮」
  • ●橙(だいだい)の皮を使ったものは橙皮(とうひ)

こういった細かい違いがあり、日本の陳皮は正確には橘皮だともいわれます。

陳皮は古ければ古いほど効果が高いとされます。ちなみに、陳皮の陳は古いことを指し、新陳代謝の「陳」は古いものと新しいものが入れ替わるという意味。「陳腐」は古いものが腐るということで、当たり前、ありふれているということだそうです。

のぼせやすい人は注意

陳皮は体を温めて余分な水分を排出する性質があり、気と体液を消耗します。暑がりでのぼせやすい人は使いすぎに注意してください。また、長期・大量に使うことは避けてください。

陳皮を作ってみよう

陳皮が体にいいということが分かったところで、さっそく作っていきましょう。といっても作り方はごくごくカンタンです。

干すだけだから超カンタン

下準備

まずはみかんや柑橘系の皮を用意します。できれば無農薬がおすすめですが、ない場合は市販のものでも大丈夫です。わが家は柑橘系の木があり、今年豊作のすだちを利用することにしました。(名付けてスダチンピ!)

緑の時に収穫しないでいたら、ゆずのような黄色に…。

農薬が気になる場合のひと手間

みかんを食べる前によく洗っておきます。皮をざるに入れ、沸騰したお湯をかけて乾かします。気になる人はぜひやってくださいね。


作り方

みかんの皮は手でむき、ヘタを取っておきます。すだちやゆずの場合、半分に切ってタネをのぞき、実と皮に分けます。

実ははちみつ漬けにしました。

皮は白い皮の面を上にして、雨の当たらない風通しのよい場所で天日干しにします。

皮が重なったり、雨に当たったりするとカビの原因になるのでご注意!一週間ほど干し、水分が抜けてカリカリになったら完成です。


干す道具

平らなざるなどに入れて干してもいいのですが、おすすめは干物用かアウトドア用のドライネット。これに入れて干せば虫除けにもなりますし、物干しざおなどにつるしておけるので楽チン。薬膳師なら一家に一台(?)持っていたいアイテムです。


仕上げのひと手間

しっかりカリカリに乾いたら、料理やお茶用に細かく砕きましょう。

私はブレンダーでかなり細かくしてみましたが、かなり時間がかかってしまいました。ここまで細かくする必要はなかったかも。

入浴剤にする場合は、大きいままでOKです。できあがったものは、蓋つきのビンや保存容器などで保存してくださいね。

時短で作りたい人にレンチンピ

陳皮は天日干しが基本ですが、手間をかけたくない場合や時短で作りたいときは、電子レンジを活用しましょう。天日干しとは仕上がりが少し異なりますが、同じようにカリッとします。

  • ■作り方
  • ①洗ったみかんの皮を電子レンジ(500w)で2分半ほど加熱する。
  • ②取り出して粗熱を取る。
  • ③様子を見ながら加熱を2~3回繰り返し、カリッとしたら完成。
  • ※量によっては焦げやすいので、回数や時間を調節してください。

レンチンピを作ると電子レンジににおいがつきやすいので注意してください。

陳皮を使ってみよう

できあがった陳皮をさっそく使ってみました!

まずはストレート陳皮茶

薬膳コーディネーター教材の土鍋でトライ。

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教材についてくる土鍋、こんなところにも活躍です。笑  土鍋にたっぷりの水とスダチンピを入れて沸騰させます。

沸騰してから10分ほど煮込んでできあがり!カップに注ぐと…ちゃんとエッセンスが出て、美しい黄色のお茶になりました。

飲んでみると香りが爽やか~!まるで買ってきた薬膳茶のようにスッキリして美味。これはクセになりそう♪仕事や家事の合間、ブレイクタイムのリフレッシュにぴったりです。みかんとすだちの陳皮の飲み比べはしていないのですが、すだちの風味の方がよりシャープな気がします。

男性ウケはどうなのか!?と思い、夫に飲んでもらうと「ん…」と微妙な表情。予想通りです。笑 女性向きなのか、それとも夫の体質に合っていなかったのか。でも私が飲むからよしとします!

陳皮茶アレンジ

陳皮紅茶

陳皮×紅茶×カルダモンのトリオ。しっかり煮出した紅茶と陳皮に、カルダモンを加えました。味わいはちょっぴりビターで、陳皮とカルダモンの香りが大人っぽい一杯です。体をあたため湿気を取る組み合わせなので、寒い雨の日や体がだるくてむくみが気になるときにおすすめです。

ローズ陳皮茶

陳皮×玫瑰花(まいかいか・野バラの一種)の組み合わせ。ベースは陳皮の香りですが、ほんのりローズの香りがただよって女子力がアップしそう。気の巡りをよくして、美肌効果も期待できそうです♪

陳皮はお料理にも使える

飲むだけではもったいない!お料理にも陳皮を使ってみました。

しょうゆはちみつ陳皮ソース

柑橘果実の実、はちみつ、しょうゆをフライパンに入れ、とろりとするまで煮詰めます。仕上げに細かく砕いた陳皮を加え、さらに少し煮詰めて完成!

鶏胸肉と玉ねぎの炒めものにかけてみました。甘じょっぱい濃厚な味ですが、柑橘の香りが加わるのでとっても爽やかな風味に!

薬膳で気を補う食材(鶏肉、牛肉、さば、いわしなど)と、気を巡らせる食材(玉ねぎ、柑橘類など)は好相性。消化がよくなり、気を補う効果が高まります。

陳皮風呂を楽しもう

柑橘類の皮に含まれるリモネンにはリラックス効果や消臭効果、保温効果などがあり、バスタイムにもぴったり。陳皮をガーゼやだしパックなどに入れて使います。

柑橘果実の皮は生のままお風呂に入れるとピリピリすることがありますが、しっかり天日干しすることでピリピリしにくくなるともいわれます。ゆず湯ならぬ陳皮湯、いっそう効果がありそうですね!

まとめ

いかがでしたでしょうか?みかんの皮がこんなに優秀だなんて、私も知りませんでした!
少し手間がかかりますが、基本は干すだけ。ぜひ陳皮作りを楽しんでくださいね。

キョウ
まだすだちがあるので第2弾のスダチンピを
作ろうと思っています♪

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