なすは栄養なし?秋バテ、むくみ、更年期に役立てよう

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ずいぶん秋らしくなってきましたが、まだまだ昼間は暑いですね。今年は特に暑さが長引いています。そこで今日は残暑の養生にも活躍する「なす」についてまとめたいと思います。

なすの薬膳的パワー

何となく「なすってコレといった栄養がない」というイメージがありませんか?私も実はそうでした。なので薬膳を学んでから、いろいろな効能があることを知って驚きました。

例えば「清熱効果=体の熱を取る」

「秋なすは嫁に食わすな」といわれますが、これはなすが体を冷やす「涼性」で婦人科系を冷やすとよくないから。ただし体を冷やすことが一概に悪いのではなく、体調や気候、目的に合わせて取り入れるといいですね。

なす
薬膳的な効能

  • ☑︎血流を改善し出血を止める
  • ☑︎体のほてりのぼせ、熱感、渇きを止める
  • ☑︎むくみを取り除く
  • ☑︎利尿させる
  • ☑︎胃腸の働きを高める
  • ✔︎体の熱を取る
  • 清熱の働きがあるので、暑い季節の食養生にぴったり。のぼせやすい人、発熱を伴わないのぼせやほてりなどの自覚症状に。
  • ✔︎血の巡りを改善する
  • 血流を改善し、不正出血、慢性出血、血の巡りが悪くなることによる疼痛、あざやしみ、生理の出血に塊がある、急性血便などの症状に。

\こんな人に/
せっかちでやせ気味、目の周りが黒い、肌の乾燥、めまい耳鳴り、喉の渇き、手足の裏が熱い、寝つきが悪い、高血圧など

体の陰の不足のために血の流れが悪くなっている人、熱によって血を消耗している人にもぴったりです。特に、更年期の人に当てはまるかもしれませんね。

\現代の研究では/

ナスニンにコレステロール値を低下させる効果が認められているため、なすも高血圧や高脂血症などの血管トラブルの予防効果が期待できます。高血圧対策の機能性食品として販売している商品もあります。

若い頃は血圧が低くても、更年期ごろになると一気に血圧が上昇することが。私もものすごく血圧が低かったのに、ここ数年で血圧が上昇して焦りました(汗)。
そんな場合にも体内の熱を取り、余分な水分を排出するなすが活躍します。

\薬膳的になすと特に相性のよい食材/

  • ✔︎しょうが、ニラ、にんにく、唐辛子などの香味野菜
    ・体をあたためる香味野菜でなすの冷やす作用をマイルドに。辛味が気血のめぐりをよくするので、なすの活血作用との相乗効果が期待できます。
  • ✔︎えび、鶏肉、鮭などの体を温める食材
    ・しょうがと同じく、体をあたためる食材。なすの冷やす作用を緩和します。鶏肉は胃腸の働きを高めるので相性よし。
  • ✔︎きゅうり、トマト、セロリ、豆腐などの冷やす食材
    ・暑がりさん、暑気あたりや残暑対策、血圧対策が目的なら、なすにトマトなどの熱を取る食材を組み合わせて。ラタトゥイユなどの地中海料理がまさにこれですね。
  • ✔︎黒きくらげ、れんこん、酢、青梗菜などの血の巡りをよくする食材
    ・血の巡りをよくする「活血」の作用がある食材。出血や、しみやあざが気になるならこれらを組み合わせましょう。

即席しば漬け

残暑の時期、野菜の力で体の熱を取る一品。
なすときゅうりを切って塩をまぶして味付けするだけ!

  • 材料
  • なす2本
  • きゅうり1本
  • しょうが少々
  • みょうが1個
  • 大葉5枚
  • 梅酢(赤or白)大さじ2
  • 砂糖大さじ2
  • 作り方
  • ①なすは輪切り、きゅうりは斜め切りにする。大葉、しょうが、みょうがは細切りに。
  • ②①に小さじ2程度の塩(野菜の重さの3%)をまぶして重しをし、しんなりしたら水けをしぼる。
  • ③梅酢、砂糖を加えて混ぜ、1時間以上おく。

市販の赤梅酢を使うと、しば漬けっぽい見た目に仕上がります。我が家は梅干しを作った際の梅酢(白)を使いました。作ってすぐに食べられますが、2~3日漬けるとかなりしば漬けっぽくなりました!

レンチンとろとろなす

とろとろ食感を楽しみたい!なら「レンチンとろとろなす」。
レンジでチンして和えるだけでしっとりとろとろの味わいに。油で揚げなくてもジュワッとした食感が楽しめます。

  • 作り方
  • ①竹串などでなすに穴を開ける。
  • ②ラップで1本ずつ包み、2分ほど加熱する。そのまま冷ます。
  • ③ヘタを取って食べやすく切る。
  • ④ボウルに入れ、めんつゆ、酢、ごま油と混ぜ合わせる。
  • ※お好みでしょうが、にんにく、ごまなどを加えてもおいしいです。

さらに、他の具の組み合わせもひと工夫。

ねぎやしょうが、しそなど香味野菜をたっぷり加え
冷えを和らげて気血をめぐらせる一品に。

冷奴にのせてもおいしい!

トマトとの組み合わせで残暑対策!

余分な熱や湿をしっかり出して、貯蔵の季節である冬へ向けて、いいものをためこめる力を養います。

アボカドも意外に合う!

アボカドは胃腸を養い、消化吸収の働きを高めて疲労回復します。なすも食欲不振や胃もたれによいので、相性よし!とろんとした食感で口当たりも抜群です。

黒きくらげとなすの黒酢炒め

アンチエイジングにぴったりの、黒い一品!
黒きくらげ×なすを黒酢で炒めて、余分な体の熱を取りつつ血を補い&血のめぐりをよくします。抗酸化作用でアンチエイジングにも一役かいます。

特に、のぼせほてり、目の周りが黒い、あざが出やすい、しみ、乾燥…そんな症状が気になる人にオススメです。

食べ方ポイント

なすの薬効は「皮」にあるので、皮をむかず丸ごと食べるのが◎
また、アクには美肌効果や抗酸化作用があるので長時間水にさらすのはやめましょう。

冷えが気になる場合はあたたかいお料理で。
中国清代の名医・王士雄の「温病経緯」には「秋以降のナスは微毒だから病人は食べてはいけない」と記されています。これはナスの性質が涼寒性であるので、寒さに向う季節には女性の冷え性、関節病などにはナスはよくないという意味です。

冷えが気になる人、寒い季節には、煮込みや炒め物などあたたかい料理にしたり、体をあたためる食材と組み合わせてくださいね。

保存方法のポイント


ナスは風邪をひきやすい!

ナスはヘタに多くの気孔があって、ここから水分が蒸発します。温度が高く風が吹くと水分がなくなるので、しなびてしまいます。これを昔の人は「風邪をひく」と呼んでいました。ナスの適温は10度ほど。できるだけ風に当たらないように袋のまま保存しましょう。

キョウ
食欲の秋に秋なすを役立てましょう〜


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