お肌のカサカサ、髪のパサつき、秋は乾燥が気になる季節。そんな秋にぴったりの薬膳食材といえば「きくらげ」!でも困ったことに、外食できくらげを食べる機会ってあまりないんですよね…。そこで、効能や使い方を知って、自分でも取り入れてみませんか?
Contents
白きくらげと黒きくらげの効能
白きくらげと黒きくらげは、どちらも古くから不老長寿の食材として中国で珍重されてきた「きのこ」です。え?常識ですか?私、昔は海藻なのかと思ってました。最近ではスーパーで国産ものを見かけるようになりましたね。
ちなみにわが家の表札から黒きくらげが生えてきたことがあります。広葉樹の木材に菌が付着して、こんな感じで生えてくるのも珍しくないそうな!(自然博物館の方に写真を見てもらいました)
さて、白きくらげと黒きくらげでは、薬膳的な効能が少し異なります。
白きくらげと黒きくらげの薬膳的効能
五気六味 | 帰経 | 作用 | |
---|---|---|---|
白きくらげ |
| 肺 胃 腎 |
|
黒きくらげ |
| 肺 胃 大腸 |
|
覚え方としてはこちら。
- 白きくらげ
- 津液に作用する「食べる美容液」
- 黒きくらげ
- 血に作用する「不老長寿の妙薬」
共通するのは、どちらも体に潤いを与えること。そして白きくらげは「津液」に、黒きくらげは「血」に作用します。どちらも女性にとっては大切!
ここからは別々に使い方や効能を見ていきます。
白きくらげは中国宮廷でも愛された美養食材
世界三大美女の楊貴妃も食べていたという白きくらげ。体の津液(体液)を増やす作用が高いので、肌をみずみずしく保つなどの美容効果がポイントです。1500年前の中国医学書には「滋陰養顔」(体液を増やし顔を美しくする)と記されているとか。
- 白きくらげが特に合う人
- ✔︎肌が乾燥気味
- ✔︎内側から美肌ケアしたい
- ✔︎ほてりのぼせなど更年期症状がある
- ✔︎口や喉が乾きやすい
下ゆでの方法
白きくらげは必ず下ゆでしたり、蒸したりしてから食べます。ここでひとつポイントが。白きくらげはとろとろにすればするほど、その潤い効果が高くなるといわれます。とろとろではなくても潤い効果はあるのですが、より効果が高まるということですね。
白きくらげはたっぷりの水に20分ほどつけて戻します。
ひと口大にちぎり、根元の黄色い部分を取り除きます。
たっぷりの水ときくらげを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にし、とろみが出てくるまで2時間ほど煮ます。なかなかとろ〜んとしないのですが、ある時点を超えると急にとろ〜んとしてきます。(圧力鍋を使うと時短で仕上がります)
保存する場合はそのまま冷まし、ゆで汁も加えてタッパーやジップ付き袋で冷蔵または冷凍保存します。(冷蔵は1日、冷凍は1か月を目安に)
- 白きくらげに含まれる「白きくらげ多糖体」には、大量の水分を吸収する力があるので「食べるヒアルロン酸」ともいわれるほど。
- 皮膚を修復したり、角質層の水分を保持する働きもあるとされています。
ただし作用はそれほど強くないので、常食してこそ効果があるとか。とろとろに煮るには時間がかかるので、一度に多めに煮て、小分けにして保存するといいですね。
たとえばこんな料理に
白きくらげと梨のデザート
白きくらげと梨の相乗効果で肺を潤して、肌の乾燥、シワ、空咳などに効果的。蓮の実、すだちは潤いを閉じ込める役割です。
- 材料
- 白きくらげ乾燥10g
- 蓮の実20g
- 梨1個
- 氷砂糖30g
- すだち1個
- 水500ml
- 作り方
- ①鍋に水と下ゆでした白きくらげを入れ、蓮の実と氷砂糖を加えて30分ほど煮込む。
- ②皮をむいてくし形に切った梨を入れ、火が通るまで煮る。
- ③仕上げにすだちをしぼり、スライスを飾る。冷やして食べても。
白きくらげと鶏手羽先のスープ
白きくらげはとろみがあるので煮物やスープなどにも抜群に合います。鶏手羽先と煮込んだスープは、体を内側から潤して肌に良いほか、めまいや耳鳴り、関節の動き、更年期の症状にも合うスープです。
- 材料
- 白きくらげ乾燥30g
- 鶏手羽先300g
- 蓮の実10g
- なつめ10g
- ハトムギ20g
- 昆布5g
- 水1.3L
- 塩小さじ2
- 作り方
- ①土鍋に白きくらげ以外の材料を入れて煮込む。
- ②鶏手羽先が柔らかくなったら、下ゆでした白きくらげを入れて煮込む。
もっと簡単に薬膳を楽しむなら…卵スープに白きくらげを入れる!
潤い効果ばっちり、心の安定にもいい一品になりますよ♪
黒きくらげは血に作用する不老長寿の妙薬
黒きくらげは「血に作用する」食材。貧血、月経トラブルの改善、アンチエイジングなど女性の美容と健康に役立つ作用があります。
- 黒きくらげが特に合う人
- ✔︎しみ、そばかすなどが気になる
- ✔︎肩こり、関節痛、頭痛などがある
- ✔︎足腰の痛み、骨粗鬆症予防がしたい
- ✔︎月経が始まる前に痛みがある
黒きくらげの戻し方
黒きくらげも生では食べられないので、必ず火を通します。
たっぷりの水に20〜40分ほどつけて戻します。
急いでいる場合は、器に水と黒きくらげを入れ、1分ほどレンチンすると早く戻って包丁で切りやすくなります。
細切りタイプの黒きくらげは、通常のものより早く戻せるので便利。戻し汁には微量のビタミンB2などが含まれているので、煮物などに使えます。
- 薬膳で血に作用する黒きくらげは鉄分がとても豊富で、白きくらげの8倍、レバーの2.5倍。
- また、骨や歯を丈夫にするビタミンDが豊富です。ビタミンDを含む食品はそれほど多くなく、キノコ類の中ではきくらげがトップ。
- ビタミンDは油と調理すると効率よく取り入れられるので、炒めものなどに使うと◎。
たとえばこんな料理に
黒きくらげとれんこんの炒め物
体の熱感をとりながら血を補い、めぐりをよくする一品。黒きくらげ、れんこん、なす、黒酢と、血のめぐりを改善する食材ばかりを合わせました。黒酢は血を巡らせ、肩こりケア、疲労回復に役立ちます。
- 材料
- 黒きくらげ300g
- れんこん200g
- なす1片
- しょうが2,3切
- ごま油大さじ1
- 〈A〉
- 黒酢大さじ1
- 砂糖大さじ1/2
- 塩小さじ1/2
- しょうゆ大さじ1
- 酒大さじ1
- 作り方
- ①黒きくらげは水で戻す。野菜は食べやすく切る。
- ②フライパンにごま油を中火で熱し、にんにく、しょうがを入れて香りが出るまで炒める。
- ③黒きくらげ、野菜を入れて炒め、〈A〉を加えて汁けが少なくなるまで炒める。
黒きくらげは味がほとんどないので、どんな料理にも合うのが魅力です。味噌汁やカレーなどに入れてもいいですね♪主張しない味で汎用性が高いのが素晴らしい〜!きくらげのような人になりたいっ!
毎日のお料理に気軽に使って
いかがでしたでしょうか?白きくらげと黒きくらげ。使いたくなったでしょうか!?(もう使ってますよね!)
今回は薬膳での効果的な使い方をご紹介しましたが、体にいい特徴がたくさんあるきくらげ、もっともっと気軽に毎日のメニューに取り入れたいですね。外食派の方も、きくらげが入っているメニューがあれば、ぜひ食べてくださいね〜!