薬膳食材「クコの実」を使いこなす!目のケア&老化予防に役立てる!

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薬膳でクコの実=枸杞子は3000年前から重宝されてきた食材です。現代ではスーパーフード「ゴジベリー」としてもおなじみですが、意外と「使い方がわからない」という声も。そこで今日は特徴、使い方をまとめたいと思います。

クコの実の薬膳的パワー

効能を生かして使うために、まずはクコの実の薬膳的効能をチェック!

「肝腎要 カンジンカナメ

重要なもののことを「肝腎要」といいますよね。まさに「肝&腎」は大切な五臓で、特に女性の健康には関係が深いのです。その肝腎に働くのが「クコの実」です。

クコの実
薬膳的な効能

  • ✔︎食べる目薬
  • 目と関係する「肝の血」を補って目をケア。
  • →ドライアイや視力減退、風に当たると涙が出るような症状に◎
  • ✔︎不老長寿の妙薬
  • 中国の古典「神農本草経」には「久しく服用すると筋骨をしっかりさせ、身を軽くし、老いない」と滋養強壮薬であることが書かれています。
  • →体の根っこ腎の「腎精」(生命エネルギーの基本物質)を補うので滋養強壮や老化防止に◎
  • ✔︎咳をとめる効果
  • 肺と腎のうるおいをもたらして、慢性の咳や空咳にも効果的。

\こんな効果&逸話も/

  • ✔︎更年期ケアやアンチエイジングにも
    ・クコの実は女性の更年期対策にも役立ちます。特に午後になるとほてりやすい、寝汗をかきやすいような熱っぽいタイプ向き。体を落ち着かせます。
  • ✔︎あの楊貴妃も食べていた
    ・潤いの根源をもたらすクコの実。世界三大美人の一人といわれる楊貴妃も、毎日欠かさず食べていたとか!
  • ✔︎精力剤にもなる?
    ・滋養強壮にも役立つクコの実。「旅に出る夫に食べさせるな」といわれるのは、精力がついて旅先で浮気するから(笑)

\現代の栄養学的には/

ルチンやタンニンなどのポリフェノール、しみそばかすを防いで美しい肌を保つビタミンC、肝機能を高めて脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるベタイン、目の酸化を防ぐ色素成分であるゼアキサンチンなどが含まれています。

使い方ポイント

さてここからは使い方を見ていきたいと思います。市販のクコの実はほとんどが乾燥させたもの。もちろんそのままナッツ感覚で食べてもいいのですが、水けのあるもので戻して食べると食べやすさアップ!潤いを補う効果もアップ!

→クコの実の「うるおいや血をもたらす」という効能をより活かすには
「水気のものに漬けたりうるおいのある状態で食べる」!

POINT
  • ◆クコの実は「うるおいたっぷりの状態にして食べる」
  • 酢・はちみつ・酒・お茶・スープなど
  • うるおいのあるものに漬けたり加えてどうぞ。
  • お茶に入れるのは一番手軽な方法。外食が多い人や忙しい方におすすめ。
  • オフィスでもお茶を飲む時に少し入れるといいですね。

1日20〜30g(大さじ2〜3)が目安ですが、人によってはもたれやすいので量を調節してください。私の適量はティースプーン1杯ぐらいかなと感じています。

漬けて食べる!

酢やはちみつに漬ける

クコの実にとても合うのが「お酢」です。

米酢やバルサミコ酢、飲む酢のほか、黒酢、りんご酢、ざくろ酢など、お好きな酢に漬けてみてください。クコの実も酢も、血を蔵する肝にはたらきます。

しっとりした状態になったら料理に使ったり、ヨーグルトにかけたり、そのまま食べたり、ドリンクや料理にどうぞ。

はちみつ漬けもよく合います。
ナッツとクコの実をはちみつで漬けたものはけっこう食べ応えがあるので、おやつ代わりに!

ナッツごと紅茶に入れて「食べる紅茶風」にするのも私のお気に入りです。甘くておいしい!

  • 組み合わせポイント
  • 酢の酸味×クコの実の甘味で、潤いを生む効果を高めます。
  • ナッツ、クコの実、はちみつの組み合わせは潤いを生む効果を高めて便秘解消にも役立ちます。元気不足にも!

目の不調に!

クコの実×菊花のお茶

✔︎目の乾燥、かゆみ、赤みなどに。

「クコの実×菊花」は目に良い組み合わせ。杞菊地黄丸という漢方薬にも使われます。
こもった熱を冷まして目を潤し、眼精疲労に効果的。

手軽な目のケアにクコの実と菊花の「枸菊茶」をどうぞ。

カップに適量を入れ、お湯を注いで蒸らして完成です。デジタル機器をよく使う方、スマホ老眼が気になる方はぜひ。

菊花は乾燥させたものが薬膳食材店やオンラインショップで手に入ります。菊花は種類があるので、できれば目に効果的な「白菊花」を選んでください。

生の食用菊もお茶にできます。

その場合は食用菊(小3個程度)とクコの実に熱湯を注ぎ、1~2分蒸らして出来上がり。

  • 組み合わせポイント
  • 菊花が神経のたかぶりをしずめ、目の充血を抑えて白目をキレイにします。
  • クコの実が瞳に潤いをもたらします。

ほてりのぼせ、肌の潤いに!

いちご×クコの実シロップ

✔︎ほてり、めまい、うるおい不足などに。

これは私がいちばんお気に入りのクコの実の使い方。毎年春になっていちごが少し安くなるといちごをたくさん買って作っています。
クコの実、いちご、砂糖、レモンを漬けてシロップごといただきます。

いちごとクコの実のシロップ

  • 材料
  • いちご300g
  • クコの実50g
  • 砂糖(グラニュー糖やきび糖)300g
  • レモン(スライス)1個分
  • 作り方
  • ①ビン(1L容量)は消毒して水けをふく。
  • ②いちごは洗ってヘタを取り、キッチンペーパーで水けをふく。
  • ③ビンにいちご、クコの実、レモンを入れ、最後に砂糖が上になるよう材料をすべて入れる。
  • ④冷暗所に置き、ときどきビンを振って、1週間ほどで砂糖が溶けたらできあがり。
  • ※傷み防止に少し酢を加えても。
  • ※冷蔵庫で保存して、早めに食べ切ってください。
飲み方アレンジ

春〜初夏の暑い日には「炭酸水割り」!甘酸っぱくてとても爽やかです。あたたかい紅茶に入れるのもおすすめ。紅茶にいちごとクコの実の甘酸っぱさが合います。牛乳に入れれば、いちごミルク感覚で飲めますよ。

  • 組み合わせポイント
  • いちごとクコの実はどちらも肝の血、肺のうるおいを補うので、美肌や老化予防に役立ちます。

いろいろな料理に!

魚貝類のクコの実マリネ

✔︎マリネ液にクコの実を加えて、のぼせほてり足腰のだるさなどのケアに。

クコの実の酢漬けを、マリネ液に利用!
またはクコの実・レモン汁・酢・はちみつ・塩・サラダ油でマリネ液を作ってください。

からだの潤いをもたらすホタテ、イカ、タコなどの魚介類、さっとゆでた百合根やレンコンなどを具にすれば、更年期のほてりなどの症状に効果的な薬膳になります。

  • 組み合わせポイント
  • 体に潤いと血を補う魚貝類、百合根などをクコの実入りマリネに。
  • 甘酸っぱい味は体の潤いを補います。のぼせほてり、足腰のだるさ他、小じわや乾燥が気になる方は取り入れてみてください。
鶏レバーの赤ワイン煮 クコの実添え

✔︎視力の低下、めまい、不眠、夢が多いなどの症状に。

鶏のハツ、鶏レバーを赤ワインとしょうゆ、砂糖、塩、酢少々で煮込みます。
酢に漬けたクコの実と龍眼肉をのせていただきます。

  • 組み合わせポイント
  • 肝と心の血を補う食材をふんだんに使用。酢に漬けたクコの実が味と見た目のアクセントになります。
  • 龍眼肉がない場合、レーズンを使っても。
娘ちゃん
同級生には「レバーって何?」って言われちゃった

レバー、苦手な方も多いんですよね〜。薬膳では血を補う食材なので我が家ではよく食べています。

この他、いろいろなお料理にどうぞ。

クコの実はスープやおかゆなど、いろいろなお料理に使えます。彩りのアクセントにも重宝するので、常備しておきたいですね。

生のクコの実、葉も食べられる!

クコの木を育てている我が家。去年は少しですが実を収穫することができました!
生の実はそのままだと正直あまりおいしくないんです(笑) でも新鮮なので色はとてもキレイです。見ていて癒されます。

クコの葉は「枸杞葉クコヨウ」という生薬。山菜としても親しまれています。
春〜夏の新芽を摘んで、茹でておひたしや和え物、ごはんに混ぜて「クコご飯」などにします。

クコの葉には血管壁を丈夫にして動脈硬化を防ぐビタミンCがたっぷり。乾燥させた葉はお茶としても利用されます。

ちなみに、クコの茎や根の皮は、地骨皮(ジコッピ)という生薬になり、微熱やほてりのぼせの症状に用いられます。いろいろな効能があるクコ。鉢植えでも栽培できますので、興味のある方はぜひ↓

クコの実の選び方

最後に、クコの実の選び方を。
中国の寧夏自治区のクコの実は、600年余の栽培の歴史があり、良品とされます。
✔︎大粒で色が鮮やか✔︎ふっくらとしたものを選びましょう。
暑くなってくるとベタついてかたまることがあるので、高温多湿を避け、密閉して冷暗所で保存してくださいね。

キョウ
クコの実は大きめのスーパーや薬膳食材店、業務スーパー、KALDIなどで手に入ります!ネット販売でもどうぞ。


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