本草薬膳学院の通信生でもあり、
京都府「薬膳インストラクター講座」に通っているKYOです。
子どもたちにとっては終わってほしくない夏休み、
親にとっては早く終わってほしい夏休み。笑
初めての調理実習でメインを担当
月に一度通っている、京都府の薬膳講座。
8月の講座は初めての調理実習でした!
↓以前の授業の記事はこちら。
https://www.natugoyomi.com/post-1829/
この日の調理実習は、京の食文化ミュージアムというキッチン付きの施設で行われました。
あらかじめ決められたグループに分かれて座ります。
座学で数回会っているはずの方達ですが、座学だと前を向いているので、お話する機会がほとんどありません。みなさんと、ほぼ「初めまして」状態。笑 でもこの日は向かい合って座っているせいか、自然にお話が盛り上がります。
この日の講師は、坂口順子先生です。
先生は、京都薬科大学を卒業後、生薬の研究をされていたことがきっかけで漢方・薬膳の道に入られたとか。現在は奈良で漢方薬膳研究所をされています。
今日作るレシピが配られました。
夏の薬膳献立
- 鯵とパプリカのカレー風味
- 南瓜とそうめんの煮物
- 玉ねぎのサラダ
- じゃがいもとワカメのお焼き
- 薏苡仁(よくいにん)とオクラのスープ
- 雑穀入り梅干しご飯
豪華なお献立。これを6人で作ります。
坂口先生いわく
健康のためには、いい食生活といい食材が必要。
ということで、先生のご自宅では完全無農薬のお野菜をたくさん育てているそうです。
この日の調理実習に使うお野菜も、大半が先生のご自宅の畑で採れたもの!
特に玉ねぎは、とっても甘いのでぜひ食べてみてほしいとお話がありました。完全無農薬で育てた玉ねぎは甘くて、水にさらさなくても食べられるほどだそうです。
漢方や薬膳の専門家の方ほど、無農薬野菜などの食材にこだわりを持っている方が多いと思うのです。他のスタッフの方の中にも、自宅で畑をされている方がいらっしゃいました。薬膳や漢方、中医学を極めると、食材にまで行き着くのでしょうか?
さて、グループに分かれて献立作りに取り掛かります。
メニューの分担をどうしようか?と話している段階で
「じゃあ、鯵のメニューはあなたに任せたわよ!
お若いから、やっておけば、いろいろ吸収できるでしょう?」
といきなりメインの鯵のレシピを任されてしまいました…。
確かにメンバーの中では(中では、ですよ…)若い方かもしれませんが、メインで失敗したら超迷惑…。
しかしここは勉強!やらせていただくことにしました。
材料はスタッフの方があらかじめ用意してくださっていました。
見てください、この立派な鯵。おろしてあっても、立派!
私が担当することになったレシピはこちら。
鯵とパプリカのカレー風味
- ① 鯵を骨抜きし、塩こしょう、ワインで下味をつける。
- ② パプリカとピーマン、玉ねぎを細切りしておく。
- ③ にんにくも皮をむいてみじん切りする。
- ④ 小麦粉とカレー粉を混ぜ合わせ、水けをふいた鯵にまぶす。
- ⑤ オリーブ油を熱して、鯵をこんがり焼いて取り出す。
- ⑥ オリーブ油を足して、フライパンでクミンシードとにんにくをじっくり弱火で炒める。
- ⑦ ❻に、細切りしたパプリカ、ピーマン、玉ねぎを入れて炒め、カレー粉と塩で味付けする。だしを加え、水で溶いた吉野葛を加え、とろみが出たら火を止める。
- ⑧ 器に盛った鯵の上に❼の野菜をかけて完成。
小麦粉とカレー粉をまぶして鯵を焼いた時点で、カレー(姜黄)の食欲をそそる香りが。クミンを炒めるのは初めてでしたが、スパイスカレーのようにとっても夏らしくていい香り!
薬膳的な姜黄の作用
- 血の流れを促進する活血化瘀類。
- カレー粉に含まれる。
- 消化器系によいとされる。
薬膳的なクミンの作用
- 健胃作用があり、消化を促進する。
- 消化不良や腹痛やお腹のハリを改善する。
私は鯵のメニューにかかりっきり。
他のメニューはおまかせになってしまいました。
初めての方達と行う調理実習は、この点が難しいですね。
多数のレシピをまたいで、例えば「切る」「炒める」を担当する方がいいのか。
それとも自分一人で一つのメニューをやり遂げる方がいいのか…?
私は今回やってみて、失敗するリスクはあるけれども、後者の方が自分の薬膳体験として身につくなあと思いました。
全工程が理解できるので、マスターしたという気持ちになれます。笑
水で戻してあり、気になっていた、薏苡仁(よくいにん)。ハトムギですね。お茶は飲んだことがありますが、食材としていただくのは初めて!これはスープにしていただきます。
ちなみに、本を調べるとお粥やデザート、サラダ、せんべいなどにもできるそう。
ハトムギといえば胃腸の働きを良くし、余分な体のむくみを取り去る去湿類。イボ取りにもいいと、娘に飲ませていたことがありました。中国ではシミ取りによいと、煎じてから汁を飲むのだとか…!
さてお料理が出来上がりました〜!お待ちかねの試食〜!
私が担当した鯵とパプリカのカレー風味は、「おいしい!」と言っていただきホッと一安心。
メインですから、責任重大です。笑
塩もほとんど使っていないのに、鯵の素材の良さと、スパイスのアクセントでしっかり満足できました。
後で調べてみたところ、このレシピは薬膳的に血の流れをよくするのにぴったり。いわゆる瘀血体質の方にいいようです。
- ●体の中を温める鯵、血の流れをよくする姜黄を使って血流をアップ。
- ●理気類の玉ねぎを使うことでさらに血の流れをよくする。
- ●姜黄が血の流れを促進。クミンがお腹の冷えを温める。
姜黄もクミン、どちらも胃の働きを元気にする働きがあります。
冷たいものの食べ過ぎやクーラー病などからくる夏バテにはぴったりですね。
楽しみにしていた薏苡仁のスープには、すりおろしたオクラが入っています。オクラの粘りだけで、とろとろの食感に!薏苡仁はもちもち!この食感の違いが面白い。写真は、薏苡仁を入れているところ。
玉ねぎのサラダは、本当に甘い!
水にさらさなくてもここまで甘いとは…とびっくりしました。
ただ、有機栽培の玉ねぎはなかなか手に入れる機会がないですが…。
どのメニューもおいしくいただきました。
お昼を抜いて行ったにも関わらず、量が多くてお持ち帰りに。
どれも全体的に薄味で、もちろん調味料は出汁、しょうゆ、塩など基本的なものばかり。でもしっかり満足できる味わいでした。
薬膳を作る上で「薄味、加工品をなるべく使わない」これが基本。
便利な現代の中できちんと守るのはなかなか大変ですが
きちんと作ったものはやはりおいしいなあと思った調理実習でした!