3日間のスクーリング(通学)で教えていただいた、先生方のアドバイスや生徒仲間からの質問をまとめてみました。本草薬膳学院に興味のある方以外にも役立つと思うので、ここでご紹介したいと思います。
↓先に以前のリポートを読みたい方はこちらのリンクからどうぞ!
コンテンツ
薬膳を学び始めた人がぶち当たる壁は何ですか?
薬膳は食です。最初は「食のことなら簡単だろう」と気軽に始める方が多いです。
そういう方が教科書を読み始めてすぐに陥るのが、絶望です。
「漢字だらけ」「言葉の意味がわからない」そういう悩みがたくさん出てくるからです。
特に栄養士の方は、栄養学の知識を持っておられますが、薬膳と栄養学は全く違うものなので、頭を切り替えてください。
薬膳は古くから人間の体で実践しながら積み重ねられてきた学問です。
自分のことを現代人と思わず原始人になった気分で中医学を自分の体で感じること。その積み重ねが大切だと思います。
薬膳は料理。なのに中医学を勉強するのはなぜですか?
薬膳は中医学をベースにした学問なので、中医学の基礎をしっかり身につける必要があります。理論を学ぶことで、「弁証論治→処方に合った食事」と組み立てて考えられ、より効果的な薬膳を作れるようになります。
薬膳理論の勉強方法は?
とにかく、本(教科書)をできるだけ読んでください。たまに卒業した生徒さんの教科書を見ることがありますが本がキレイだとがっかりしてしまいます。ボロボロになるまで読んで、書いてあることをすべて覚えてください。知識は無駄になることがありません。すぐには役立たないかもしれませんがふとした時に出てくるものです。
臓腑の勉強のコツは?
ひとつひとつの臓腑の役割を勉強すると思いますがその後、自分なりに臓器同士のつながりをまとめて表にしてみると良いと思います。
例えば「血と関わる五臓のはたらき」などをテーマにまとめてみてください。こうしておくと、全体の関わりが理解しやすくなります。
同じ意味でもさまざまな言い方があるのはなぜ?
例えば同じ意味でも補血を養血、補陰を滋陰と表現します。
昔、中医学の医師には高い教養、特に文学的な教養が求められました。
中国では文字の力を重要視するのです。詩の中に同じ文字が出てくるのを嫌うように、
医師が書く診断書にも同じ言葉が2回出てくるのを避けました。そこで同じ意味の言葉で、違う言い方が使われたとされています。
「更衣」(服を替える気分)「出恭」という言葉を用いたりしたそうです。
先生は毎日お家で薬膳料理を作りますか?
毎日意識して薬膳料理を作ることはそんなにありません。ただ、自分の中に薬膳がベースとしてあるので自然と薬膳の考え方に基づいた料理になっていると思います。
毎日薬膳を作るのは大変ですよね?
全然大変ではないですよ。基本は、その時の旬の食材を使えばいいのです。
そこに、季節に合った調理法を用います。毎日少しずつ組み合わせを変えていけば立派な養生薬膳です。
中薬は毎日使わないといけないのですか?
もし何か治したい症状があれば、中薬を取り入れるとよいですね。
でも日々の養生なら毎日中薬を使う必要はありません。自分が使いやすい中薬を少し取り入れるのをおすすめします。
枸杞子などは気軽に使える中薬の代表です。
薬膳レシピには多くの材料を使う方がいい?
薬膳のレシピを作る際は、まず目的を決め、多すぎない材料でシンプルにする方がよいでしょう。よくありがちなのが、あれもこれもと材料を詰め込む失敗です。
何のためのレシピなのかわからなくなってしまいます。目的をはっきりさせ、シンプルに作るようにしてください。
家族で薬膳を食べる場合には?
例えば、家族のために薬膳の献立を用意する場合、家族一人ずつの体調に合わせて献立を作るのは大変すぎますよね。
そこでAの目的のおかず、Bの目的のおかず…を作り「あなたはAのおかずを多めに」「あなたはBのおかずを」と食べ分けをすすめることが多いですね。これは中国のおばあさんの知恵です。
レシピ作りでありがちな失敗とは?
特に通信生・オンライン生にありがちなのが頭で考えた理屈っぽいレシピが多いことです。(効果を考えすぎるあまりの材料の使いすぎなど)
薬膳は思いやりから生まれた料理です。「レシピを誰に食べさせてあげたいのか?」を忘れずに、レシピ作りを心がけてください。
まとめ
授業だけでなく、先生と直接お話しして
聞いたことなども含めてまとめてみました。
参考にしていただければ幸いです!
わかりやすいですね!
おまけ。スクーリングの際、
息子に頼まれて探しに行ったダンゴムシのガチャガチャ…
この時は大人気でなんと売り切れ。
あとから探し出してゲットすることができました〜(^_^)
コメント
はじめまして。中医学と薬膳を勉強しようと情報を集めていて、kyoさんのこちらに辿り着きました。講座の選び方や勉強法を分かりやすく書いて下さっているので、ありがたく読ませて頂いています。
ひとつ分からないことがあり、恥ずかしいくらい初心者の質問なのですが、もしお時間がおありでしたら教えてください。
「理論を学ぶことで『弁証論治→処方に合った食事』と組み立てて考えられ…」
ということなのですが、いつか理論がよく理解できるようになれば自分や家族の証を立てられるようになれますか?
私が学ぶ目的は、薬膳献立や調理というよりも、証を立てられるようになりたい、というものなのですが、証を立てるのは中医師のスキルかなとも思い、なかなか講座受講に踏み切れません。
長文失礼しました汗
かおりさん
コメントありがとうございます♪本草薬膳学院の薬膳の学びは、理論あっての献立です。証を立てるために中医学理論をしっかり勉強するので、そこが本格的であり難しい理由です。弁証論治だけをしたいのであれば、おっしゃる通り中医師や漢方薬剤師の道もあるので、幅広い選択肢で考えてみられてはいかがでしょうか?ご自分のベストを探してくださいね(^^)