2020年、初めての投稿です。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
遅くなってしまいました!
昨年末のことになりますが、
京都府「薬膳インストラクター講座」の調理実習に行ってきました。
今回で調理実習は2回目!テーマは「冬の薬膳」です。作ったのは、こちら。
冬の薬膳献立
- 小芋とじゃがいもバーグ
- こんにゃくと金時しょうがのきんぴら
- 紅芯大根と大根の柚子風味なます
- ちょろぎと菠薐草のかきたま汁
- さつまいもと紫芋のきんとん
- いりこの夕焼けごはん
合計6品と、なかなか豪華な献立です。ちなみに私はふだん2品ぐらいしか作らないので、品数の多さに「すごいなー」と。2品って少なすぎですか…。
Contents
初めて見るチョロギはアレにそっくり
さて、この講座の実習、先生方が自宅の畑で育てた野菜など、いろんな食材を持ってきてくださるのが特徴。今日のお持ち込み食材はこれ!「チョロギ」です。「チョロギ?なんじゃそれ?」っていう方もいるかもしれませんね。
↑これです。
うーん。この見た目。誰かがボソッと「イモムシ…」。
そう言われると、もうそれにしか見えないーー!
漢字でチョロギは「草石蚕」と書くそうですが、確かに、見た目は蚕にそっくり。蚕も生薬になるらしく、その蚕に似ていることから、この漢字なんだそうです。
昔はおせちの黒豆にチョロギが入っていたのを知ってる方、いらっしゃるでしょうか。あのチョロギは「毒消し」の意味だそうです。先生いわく、昔の黒豆には中毒性があったそうで…(今は品種改良されて問題ないそうです)。毒消しのちょろぎを入れておけば安心!と昔の人は経験から知っていたそうです。
また、医学博士の山原條二先生の研究によると、チョロギには脳細胞の働きを活性化する物質が含まれていて、アルツハイマーの治療などでも注目されているそうです。
冬の献立調理スタート
さて、実際の調理タイム。調理班ごとに分かれて取り掛かります。調理実習は2回目ということで、メンバー同士もだいぶ打ち解けてきました。これ大事。
まず、チョロギで作ったのは「チョロギと菠薐草のかきたま汁」。
血や陰液を養って体を潤すスープです。
菠薐草はほうれんそうと読みます。この漢字の読み方で生徒がザワつきましたが、「菠薐(ペルシャ)」から来た野菜ということで、中国語の読み方(ポーレン)が日本語名になったようです。
ほうれん草は、根っこまで食べて!と、ガリガリ包丁で削って余分なところを落としてからいただきます。皮や根なども残さずいただく「一物全体(いちぶつぜんたい)」の考え方です。
そして今回、私が主に担当したのは「小芋とじゃがいもバーグ」。
小芋(里芋)とじゃがいもを両方使った、お焼き感覚の一品です。
胃腸にやさしいじゃがいもと里芋をメインに、具には体をあたためる温裏類の鮭を使います。
これを丸めて焼きます。「鮭コロッケの揚げてない版」といったところでしょうか。
他の方には「こんにゃくと金時しょうがのきんぴら」「紅芯大根と大根の柚子風味なます」「さつまいもと紫芋のきんとん」を作ってもらいました。
誰が何を作るというのは別段決めないのですが、なんとなく「じゃあ私はこれやるね」と決まっていきます。この辺はチームワークですね!
冬の献立 試食タイム
お待ちかねの試食です。全体はこんな感じで出来上がりました。
今日もっとも気になるチョロギの味はというと…
ごぼうと芋の中間のような。くせがなくて食べやすい!体に良くて食べやすいんだったら、食べたい…でも、普通に売っているんでしょうか?素朴な疑問。
この日、先生がチョロギを販売されていましたが、あっという間になくなってしまいました。私、購入できず。チーン
お汁自体はとっても上品な味わい。薬膳の味付けって、本当に素朴ですね。基本だしとしょうゆ、塩などを使うので、素材の味が引き立ちます。濃い味つけに慣れていると、物足りなく感じてしまうかも。その分しっかりだしを取らないとな〜なんて感じてしまいます。
「小芋とじゃがいものバーグ」は、ほっくり優しい味わい。コロッケ風なのに揚げなくていいのは楽でいいですね!
さつまいものきんとんは、ほんのり甘くてスイーツ感覚。ちょっぴり柑橘果汁を入れることで、さっぱり。薬膳的にいうと、ゆずの香りが気の詰まりを解消します。
きんぴらは生姜の辛みがいい感じ。ピリッとくるのが大人の味でした。
大根のなますはほんのり甘くてさっぱり。柑橘果汁の爽やかさが体に心地よかったです。
中医学で酸味と甘味の組み合わせは酸甘化陰(さんかんかいん)といって、潤いを生み出す組み合わせです。
上にかかっているのは陳皮です。さまざまな生薬に含まれる陳皮ですが、最近はアルツハイマーにも効果があることが研究でわかってきているとか。みかんの皮はもう捨てられない。
こちらは、先生が作っておいてくださった、いりこ入りごはん。これだけで栄養が摂れそうな、具沢山のごはんでした!
冬の養生の基本
黄帝内経素問に書いてある冬の過ごし方です。冬は生命力を司る「腎」が活発になり弱りやすくなる。汗をかく運動は控えて腎をいたわって、ということですね。食べるものも、体をあたためるもの・腎の働きをよくするものを選ぶとよいとされています。
【冬にとりたい食べ物】
助陽類 温裏類 | 生姜、韮、山椒、肉桂(シナモン)、くるみ、ねぎ、唐辛子 |
補気類 | 粳米(米)、栗、大麦、山薬(山芋・長芋)、じゃがいも、椎茸、粟、はちみつ、薏苡仁(はとむぎ) |
補腎類 | 銀杏、栗、黒豆、黒胡椒、松の実、桑椹(桑の実)、枸杞子、黒きくらげ、海苔、牡蠣 |
滋陰類 | ほうれん草、にんじん、黒きくらげ、白きくらげ、松の実、りんご、梨、バナナ、柿、百合根 |
補血類 | 金針菜、ほうれん草、桑椹、龍眼肉、にんじん、かつお、レバー類 |
※食材の分類は出典によって異なります。
- 体をあたためて気力をつけるもの
- 腎をいたわるもの(黒い食べ物など)
- 気が滅入るときには、血と陰液(血以外の水分)を補うもの
体力を消耗しやすい冬。こういった食材で体をいたわって、活動的になる春に向けて元気のもとを蓄えておきたいものですね。
おまけ
ただいま、本草薬膳学院通信コースの卒業レポートで、薬膳のレシピ作り、実際に作って写真を撮る作業に追われています。
「どうせ写真を撮るなら、インスタに載せたらいいんじゃない!?」という安易な発想で、薬膳とうつわ、お仕事のインスタグラムをはじめました!気軽にフォローしてくださいね♪
アカウント名: @natugoyomi
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自分で自分の首を締めてる気もしますが
楽しんでやりたいと思います!笑