こんにちは!キョウです。先日、京都府主催の薬膳授業で、亀岡市にある「チョロギ村」へ行ってきました!今回はそのレポートをお届けしたいと思います。近隣の方もそうでない方も、薬膳のヒントになると思いますので読んでくださいね。
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チョロギ村とおうち薬膳「忘れな」
私が通う京都の薬膳講座では年に1度ほど校外学習があり、現地で薬膳の勉強をすることになっています。今回訪れたのが「森のステーションかめおか」内にあるチョロギ村とおうち薬膳「忘れな」です。
ちなみに一昨年、郊外学習で薬草園へ行ったお話はこちら。
https://www.natugoyomi.com/post-2128/
場所は?
チョロギ村があるのは、京都府亀岡市。JR京都駅から最寄りの千代川駅まで電車で30分ほどです。京都に住んでいながら、訪れたのは初めて!
千代川駅からバスで移動します。のどかな風景に、薬膳レストランの看板を発見!
名前からは想像もしなかった、外国風の建物の中にチョロギ村があります。
以前アメリカの大学の分校?だった建物を再利用しているんだそうです。
おうち薬膳「忘れな」
NPO法人チョロギ村にある、おうち薬膳レストラン「忘れな」は、もともと京都府の薬膳講師だった森先生が運営されています。
50代半ばになってから薬膳を学び、その学びを生かして薬膳講師をし、その後NPOとしておうち薬膳レストラン「忘れな」をオープンしたそう!薬膳を活かしてお仕事をされている見本のような方です。
「忘れな」のこだわり
四季ごとに変わるメニュー
「忘れな」では、四季を楽しむ薬膳料理が楽しめます。薬膳は個人の体質に合わせて作るという特徴がありますが、飲食店の場合、個人の体質に合わせてメニューを提供することは難しいですよね。そこで季節の薬膳を提供することにしたそう。
1年に4回変わるメニューは、使用するひとつひとつの食材の「五性六味(性質と味)」を表にし、目的と合っているかすべて確かめているそうです。また、季節の薬膳理論に合っているかチェックし、その後スタッフと試食を繰り返して完成するのだとか!
薬膳なのに食べやすい
四季ごとのメニューには、地元産野菜や敷地内の薬草原っぱから摘んだ薬草が使われています。でもけっして食べにくいお料理ではなく、家庭の味のような優しい味わいで大好評だとか!
欠かせない3つの薬膳食材
「忘れな」では、季節の旬食材のほかに、必ず取り入れられている「3つの薬膳食材」があります。
①当帰(葉)
女性の健康に役立つ薬草として有名な当帰。根は生薬なので食材としては市販されていませんが、葉の部分は食品として用いられます。大和当帰が有名ですね。
②金時しょうが
日本独自のしょうがの品種で、一般的なしょうがより小さいサイズ。香りと辛味がとても強いのが特徴です。
③チョロギ
シソ科の植物で、地下茎の部分が食用になります。チョロギ村と神戸学院薬学部との共同研究により、チョロギに認知症予防効果が確認されたそうで、地域の特産品にもなっています。
これら3つの食材がメニューに盛り込まれているとのこと!お勉強の後は、お楽しみの実食タイムです♪
四季を楽しむ薬膳御膳
この日いただいたのは「秋の薬膳」。ひとつのお膳にさまざまなお料理が盛られていて、目にもうれしい!しっかりボリュームがありますが、全体的にヘルシーな印象です。
豚肉のしょうがシナモン焼き
ジューシーな豚肉に、しょうがとシナモンがほどよく香るメインのお料理。てんさい糖が使われているのでほんのり甘い!潤いをもたらす松の実が使われているのもポイントです。豚肉で潤いを補い、シナモンやしょうがで体をあたためる「潤燥温肺」の薬膳になります。
長芋のすり流し当帰スープ
初めて食べた当帰の葉!ずっと食べたいと思っていて初めて実現しました。このお汁には、当帰がだしとして使われています。お椀のフタを取るとふわ〜っと広がる薬草的な香り…!当帰はセリ科なので、セロリのような独特の香りです。
黒糖と金時しょうがの大学芋
旬のさつまいもは、気を補ってくれる食材。黒糖や金時しょうがを加えて、血液を補い体をあたためます。ほくほくでおいしい♪
大根おろしと青物のさっぱり和え
青菜は空芯菜。大根おろしと土佐酢が使われていて、さっぱりといただけます。空芯菜は止血効果のほか、むくみや便秘などに効果があります。
金時しょうがと黒豆のご飯
腎を補う黒豆、金時しょうが入りのご飯。チョロギがのっているのがポイント!チョロギはお漬物感覚でパクッと食べられます。(この後チョロギを1個床に落としてしまい、泣く羽目に…)
りんごのコンポート
りんごは余分な熱を冷まし潤いを生み出す働きがあります。体をあたためるシナモンをきかせてバランスをとりつつ、おいしさもアップ♪
たくさん食べてもお腹が空く
旬を活かしつつ、薬膳の理論に沿った季節の御膳。これだけしっかりした内容なのに、素材を活かした優しいお料理が多いので、決してお腹が重くなりません。
「ここで食べるとすごく体調が楽になる」と、リピーターのお客さんがとても多いそうです。毎シーズン2〜3度訪れる人もいるそうですよ。
薬膳ではカロリーという概念がないといいます。「忘れな」のメニューもカロリーを重視するのではなく、「体に必要なものを食べているということを、しっかり五感で感じて欲しい」とのこと。 そして「食べ応えがありますが、ちゃんとお腹が空くようになっています」という先生の言葉通り、私も夜にはしっかりお腹が空いていました!それだけ負担が少ないということですよね。
薬膳の外食は勉強になる
薬膳レストランの楽しみは、おいしいものを食べられること。そして薬膳メニューのヒントをもらえることではないでしょうか。
薬膳は、自然派の素材を使ったシンプルなお料理が多いですし、「このメニュー、おいしいな」と思ったら真似しやすいですよね。実際に「忘れな」でも、「食べたお料理がとてもおいしかったから真似して作ってみた!」という方がいらっしゃるそうです。
自分では思いつかない食材の使い方や、組み合わせ方を体験できるのが薬膳レストランの醍醐味です。真似して取り入れれば、薬膳のレベルアップにつながりそうです。
- おうち薬膳忘れな
- 京都府亀岡市宮前町神前長野15
- 亀岡市交流会館(森のステーションかめおか)内
- 営業日 木・金・土・日
- ランチタイム 11:00〜14:00(ラストオーダー13:30)
- https://chorogimura.com/