薬膳を学んでいる人、これから学びたいと興味を持っている人なら国際的な薬膳資格が気になっているのでは?日本で取得できる薬膳の国際資格にはいくつかありますが、今回はその中でも代表的な3つの国際資格をご紹介したいと思います。
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ゴールを設定して入口を決める
まず私が調べた限りでは、どの国際資格も独学で勉強していきなり試験だけを受験することはできません。認定するのは中国の各学会団体ですが、それぞれ日本の学校や協会がひもづいており、そちらの基礎資格を取得しておく必要があります。
将来的にどの国際資格を取りたいかによって学びの入口が変わってくるので、これから薬膳を学ぶ方は、あらかじめ調べておくことをおすすめします。
国際薬膳師
- 【資格名】
- 国際薬膳師(士)
- 国際薬膳調理師
- 【認定機関】
- 中国薬膳研究会
- 【資格の特徴】
- 中国の国家中医薬管理局が直轄する「中国薬膳研究会」が認める、最高峰の薬膳資格のひとつ。日本で最初に導入された薬膳の国際資格であり、最初は大学の証書として1998年に導入されました。日本での試験は本草薬膳学院が主催しています。
- 【主催】
- 本草薬膳学院
- 本草薬膳学院は中国薬膳研究会の日本教育機構で、日本における薬膳専門校を代表する存在。20年以上の実績があり、これまで4000人以上の卒業生を輩出しています。中国の北京中医薬大学・河南中医薬大学と提携し、北京中医薬大学の学びとほぼ同じ内容を学ぶことができます。
- 学院サイト https://honzou.jp/
国際薬膳師(士)の受験資格 | 本草薬膳学院が認定する「中医薬膳師」の資格を保有していること。 または他校or他団体にて1,000時間以上中医薬膳学を学んだという証明書が必要。 |
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試験項目 | 中医基礎学、中医診断学、中薬学、方剤学、食材学、中医営養薬膳学、弁証施膳、中医内科学 合計8科目 |
合格点 | 国際薬膳師、国際薬膳士、国際薬膳調理師それぞれで合格ラインが異なります。※試験内容は同じ |
\国際薬膳師につながる通信講座/
↓国際薬膳師についてはこちらもどうぞ!
https://www.natugoyomi.com/post-3851/
国際中医薬膳師
- 【資格名】
- 国際中医薬膳師
- 国際薬膳調理師
- 【認定機関】
- 中国中医薬研究促進会
- 【資格の特徴】
- 中国北京の中国中医薬研究促進会が認定する、日本で最も権威のある薬膳資格のひとつ。日本では2004年に導入され、認定試験は毎年春と秋の2回実施、日本中医学院で行われます。
- 【主催】
- 日本中医学院
- 日本中医学院は、旧北京中医薬大学日本校。本格的な中国伝統医学を学べる日本初の大学教育機関であり、代表する存在です。中医薬膳専科のほか、中医中薬専攻科、医学気功整体専科など中医学に特化した幅広いカリキュラムが特徴。中医薬膳専科では大きく分けて中医学理論、薬膳理論、薬膳調理を学びます。
- 学院サイト https://www.jbucm.com/
国際中医薬膳師の受験資格 | 日本中医学院の中医薬膳専科を卒業していること。 |
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試験項目 | 中医基礎理論、診断学、臓腑弁証、中薬学、方財学、中医営養学、中医薬膳学、季節の薬膳、弁証施膳など |
\国際中医薬膳師を取得するには別の入口も!/
- 【日本中医食養学会】
- 受験できる資格:国際中医薬膳師・国際薬膳調理師
- 日本中医食養学会が認定する「中医薬膳指導員」「中医薬膳調理師」を取得していることが必須。さらに、同じく学会主催の「国際中医薬膳師 受験対策基礎講座(30時間)」と、日本中医学院の「国際中医薬膳師 上級コース(30 or 10時間)」を修了すれば、受験資格が得られます。国際薬膳調理師の場合、調理師資格も必要です。
- https://syokuyou.jp/
- 【Any協会=NPO法人 全日本薬膳食医情報協会】
(日本中医学院認可の薬膳教育機関で、日本中医食養学会の姉妹機関) - 受験できる資格:国際薬膳調理師
- Any協会は調理部門から薬膳の学びを深めたい人にとっての登竜門的協力機関。国際薬膳調理師を受験するためには、Any協会が認定する「薬膳アドバイザー(初級)+薬膳インストラクター(中級)」を取得していることが必須です。いずれも協会が主催する本科を受講するか、協会に加入している薬膳教育校(全国40余か所)、あるいは通信で受講&取得できます。
- https://www.npoany.org/
\国際中医薬膳師につながる通信講座/
薬膳アドバイザー通信講座
薬膳アドバイザー養成通信講座へ
国際中医薬膳管理師
- 【資格名】
- 国際中医薬膳管理師
- 【認定機関】
- 世界中医薬学会連合会
- 【資格の特徴】
- 国際中医師、国際鍼灸師などの資格認定を行う「世界中医薬学会連合会」が認定する、薬膳最高レベルの資格のひとつ。日本には2007年に初導入され、試験は毎年夏頃、北京本部から担当試験官の立ち会いのもと都内で行われます。
- 【主催】
- 薬膳アカデミア
- 世界中医薬学会連合会常務理事である、和田暁(わだしゃお)中医師により設立された、国際中医薬膳師養成専門機関。全国各地の指定校でのベーシック講座やズームでの薬膳茶講座、一部オンライン試験など、受講生のニーズに合わせた学びの提供が話題。
- 協会サイト https://yakuzen-academia.jp/
国際中医薬膳管理師の受験資格 | 薬膳アカデミアが認定する「薬膳セラピスト」の資格を有し、国際中医薬膳管理師養成講座を修了していること。 または他校or他団体にて40時間の学習を終え、薬膳セラピスト講座に参加し試験に合格した人など。 |
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試験項目 | 中医基礎学、中薬学、食物学、薬膳献立、弁証施膳など |
\国際中医薬膳管理師を取得するには別の入口も!/
- 【中国医学実践講座】e-ラーニング
- 受験できる資格:国際中医薬膳管理師
- 自宅学習で中医学の資格取得を目指す中国医学実践講座。「中医学講座(初級・中級)」と「中医薬膳講座」を修了すると、国際中医薬膳管理師試験の受験資格が得られます。
- 講座ホームページ
国際資格の選び方について
ここまで、それぞれの資格の特徴や取得法などを見てきました。どれがおすすめ?というと、正直なところ、私はどの資格をとってもまず間違いはないと考えています。
理由としては、いずれも体系化された中医学理論に基づく薬膳で、中国の権威ある学会が認定する資格だということ。そして薬膳で活躍している方を見ていると、やはり今回ご紹介した3つのうちいずれかの資格をお持ちの方が多いということにあります。(それ以外の資格でも活躍している方はたくさんいます)違いについて言えば、学校や学会により、薬膳の捉え方や食薬の分類など異なる部分があるようです。
気になる金額
すべての資格の金額を調べたわけではありませんが、どの資格も取得するまでに十数万円〜数十万円はかかり、極端に「ここがお得」というものはないように感じます。ある講座では一見授業料が安いように見えても、試験料が高かったり対策講座料が高かったりするので、トータルで見るとそんなに変わらないのでは…と個人的には考えています。
どうしても金額面が気になる場合は、同じ学校内でも、通学コースよりもお安い通信コースを選択し、国際試験を受験するのもひとつの手です。しかし金額面がお得でも、より理解しやすいのは通学…など、それぞれメリットデメリットがあるので、自分のタイプに合わせて選択してください。
ちなみに私は本草薬膳学院の通信コースで学び、国際薬膳師資格を取得しました。通信コースは金額面でお得でしたが、通学コースの学びにも興味があったので、研究科では通学コースを選択しています。
自分に合った学びを選ぶ
金額を含め、資格を選ぶ際にチェックしたいポイントはこちら。
- 資格の魅力
- 学びの質
- かかる金額
- 通いやすさ(オンラインの設備)
- 学校や協会の雰囲気
- すでに受けている人の話や評判
また、実際に教わる先生も重要です。大きな学校だと先生も様々なので、できれば直接お会いし、一度お話を聞けるといいですね。
まずは実際に授業を見学に行ったり、すでに資格を取得している人にお話を聞いてみたりすることをおすすめします。本草薬膳学院で同じクラスだった方に学院を選んだ理由を聞いたところ、「先輩や友達にすすめられたから」という声が多かったですよ。
近くに知り合いがいなくても、薬膳ですでに活動している方はSNSなどに保有資格を書いていることが多いので、参考にしてもいいと思います。いろいろな条件をチェックした上で、いちばん自分に合った資格をぜひ選んでください。それが学びのモチベーションにもつながってくると思います。