クリスマスにはチキンを焼く方も多いのでは?薬膳で鶏肉はさまざまな料理に重宝される食材のひとつです。
- ◆鶏肉の効能
- 体をあたため、気と血を増やし、陽と陰を補い、虚弱、痩せ、顔面蒼白、無気力、四肢の冷え、生理不順、貧血などの症状に最適。
- 母乳不足や出産後の回復などにもぴったり。
- 古典「本草綱目」李時珍の「鶏は疲れや弱りを補う最も重要なもので、食治方に多用する」という言葉もあるほどです。
特にクリスマスは骨つき・皮つきのチキンがたくさん売られる時ですよね。これが薬膳的にいいんです。
薬膳の「似類補類(いるいほるい)」の考え方では
- 骨を丈夫にしたければ骨を食べる
- 肌を美しくしたければ皮を食べる
といった考え方があります。
薬膳でお肉は「骨つき・皮つきが基本」ともいわれます。
骨つき肉
「強筋骨(骨や筋を強くする)」パワーがぎっしり!潤いと気力を補い、足腰を丈夫にするとされ、抗老化(アンチエイジング)に重宝されます。
鶏の皮
好き嫌いが分かれる部位ですが、薬膳では保湿効果が高く、肌を内側から潤すとされています。70代で40代に見間違われたといわれる中国清代の西太后も、鶏や豚の皮をよく食べていたそうですよ。
沖縄でよく食べられる豚足や豚皮も肌を潤す効果が高く、血を補う生薬・阿膠の代わりになる食材です。皮の脂が気になる場合は、ゆでて脂を落とすなどの工夫をするといいですね。
簡単クリスマスチキン
ジップ付きの袋に漬け込むだけの「簡単クリスマスチキン」をご紹介します。
- 作り方
- ①骨つきもも肉は、フォークで数カ所刺して穴を開けます。味の染み込みが良くなります。
- ②ジップ付き袋に、骨つきもも肉2本に対し、にんにく1片、しょうが2片、ローズマリー適量、砂糖大さじ1、塩小さじ1、オリーブオイル大さじ2を入れて半日ほど漬け込みます。
- ③オーブンやフライパンでカリッと焼いて完成!
にんにくやしょうが、ハーブと漬け込むと風味が良くなり、芳香によって消化力もアップ!仕上げにレモンを添えればさらにgood!
- お肉や魚などの食材は気を補う力が強い一方で、滞りやすいともいわれます。
- 「補而不滞=補いながら消化を阻滞させない」ために、薬味や香りの良い柑橘類がよく使われます。
- 胃腸の働きを促すのが薬味やスパイスの役割。お肉を食べると胃もたれしやすい人、太り気味の人は特に取り入れるとよいですね。
チキンに合う!おすすめマスタードソース
市販の粒マスタードにオリーブオイル、酢、しょうゆを加えて混ぜるだけ。割合は、マスタード大1,オイル大1,酢大1,しょうゆ小さじ2程度。はちみつも少し入れると美味しいです!お好みで調節してください。
粒マスタード=白芥子ハクガイシは、痰を取り咳を抑える生薬としてもおなじみ!チキンに合わせれば、辛味で食欲を増進、消化も促進します。
食べた後のチキンの骨はスープに
骨つきチキンを食べたあとは、捨てないで!せっかくの立派な骨つき肉、骨まで利用しましょう。コトコト煮込んでスープのダシにします。いわば鶏ガラスープですが、中医学的には骨のエキスを摂ることで老化防止になると考えます。
骨はできれば折ると骨の断面が露出するのでgood。骨の髄が染み出しやすくなり「強筋骨パワー」がアップします。
- 作り方
- ①食べた後の骨をきれいに洗い、鍋に水と酒少々、骨を入れてコトコト2〜3時間煮込みます。
- ②塩やしょうゆなど、お好きな味付けや具を入れてどうぞ。麺のスープにしてもいいですね!
- 酢やレモンや梅干しなど酸味のものを少し入れて煮込むと骨に含まれるカルシウムが煮汁に溶け出しやすくなります。
しっかり煮込んで、軟骨と皮も食べて補腎✨ゴミも減って一石二鳥!できたスープに麺を入れて食べてもいいですね。