【インタビュー】髪が抜ける経験をしたからこそ、髪で悩む人の力になりたい– 髪と心の薬膳 てまりさん

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  • 髪と心の薬膳 てまりさん
  • 国際中医薬膳師、毛髪診断士、医薬品登録販売者ほか資格多数。100万人に1人以下という珍しい肉腫での闘病を経験したことがきっかけで、薬膳の道へ。薬膳の資格ほかデザインや毛髪診断などさまざまなスキルを活かし、主に髪の薬膳を中心にカウンセリングや薬膳情報を発信中。
    公式サイト→https://lit.link/temariyakuzen


薬膳の知識を生かして活動や仕事をする人にインタビューする「薬膳と生きる人」シリーズ。今回は、国際中医薬膳師で髪についての薬膳を中心に発信されている、てまりさんにお話をうかがいました。

IT企業に勤める日々が病気で一転

もともとはIT企業で働いていたとか。

新卒の時から、ずっとIT関連業界で働いてきました。当時は働き方改革という概念もなく、ずっと働き詰めで、いつ家に帰っているかもわからない状態でした。ある休日出勤の際、突然激痛に襲われたんです。病院でCTを撮ったら大きな陰が見えて。腫瘍マーカー検査をしたんですが悪い結果が出なかったので、先生方も良性の嚢胞だよねと。でも破裂する可能性もあるので、手術することになりました。最終的に病名が分かったのは、摘出したものを病理検査してからなんですよ。100万に1人以下のサルコーマ(悪性肉腫)だと判明しました。そのまま放置していたら生きていなかったかもしれません。

不幸中の幸いだったんですね。

そうなんです。でもそこで終わらなくて、進行性の早い病気だったので再発防止のために抗がん剤治療を受けることになりました。そうしたら今度は副作用で心臓を悪くしてしまって、結局1年ぐらい入院することになりました。20代後半をそんな風に過ごしましたね。

闘病生活、薬膳との出会い

薬膳に出会ったのは病気を経験した後ですか?

治療に専念するために家と病院の往復だけするようになって「自分の人生、これから何がしたいんだろう」と真剣に考えるようになりました。
また、持病があることで簡単に頭痛薬や便秘薬などの市販薬を飲めなくなったんです。病気になりにくい体を作りたい、ちょっとした不調を自分で解消したいと、いろいろ探している中で出会ったのが薬膳でした。まずは独学で食養生の本を読むようになって、その後、本格的に日本中医学院で学び始めました。

日本中医学院を選んだ理由は何でしょうか?

友人が通っていたので興味を持ちました。薬膳を学べるスクールは色々とあると思いますが、本場の中医学をそのまま持ってきているのが日本中医学院の特徴ですね。土日のみ、平日、通信制と自分の通学・勉強スタイルに合わせて無理なく通える点も良かったです。

https://www.natugoyomi.com/post-5880/

その後、デザインも学ばれたとか?

まずは自分の健康のために薬膳を勉強して、その後アートが好きだったこともあって、デザインスクールに半年ぐらい通いました。写真の授業やファッション、デザインなどを幅広く学べるところでした。最初から明確な目的があって学び始めた訳ではなかったのですが、今となっては薬膳レシピの写真や自分のホームページを作る時に役立っています。

「やりたいことを今やる」という人生観へ


その後も漢方メーカーさんで働くなど、とにかくいろいろな経験をされていますが、病気をしたことで生き方に影響はありましたか?

20代で「生死」「生存率」「予後」といった話をしたり、1年後、3年後はどうなっているのかな?と考える経験をしたりってそうそうないですよね。「いつか年取ったらやろう」が、年取った頃が来るかどうかわからない。だったら「やりたいことを今やろう」と考えるようになりました。

薬膳も、デザインも、漢方メーカーさんで働くことも、明確な目的があってこうしよう、ではなかったんですよ。すべて「やりたいな」という単純な思いやご縁があって、たまたまそうなったんです。

ただ「いつかやりたい」の「いつか」を先延ばしにすると、来ないかもしれない。だったら先延ばしにせず「やりたいことはどんどんチャレンジしよう、人生でやりたいことを『今』やる!」という人生観になったことが大きかったと思っています。家族も「興味があることをやったら?」と応援してくれて。でも気づいたら、病気から10年経ってました。病院の先生にも「これは長生きするね」って言われてます(笑)。

養生の成果が出ているのでは?

そうだと思います。どんどん元気になってるんです。大病を経験しているから、女性ホルモンの数値や骨年齢は、平均に比べ良くないんです。でも昔の自分と比べて肌ツヤなど褒められることが増えて、昔よりエネルギーが沸いている気がします。不思議ですよね。東洋医学あるあるかもしれない。西洋医学は数値で見るけれど、東洋医学はそうじゃないなって。食事や生活習慣、外からのケアをすることで、年齢を重ねても元気で若々しくいられるんです。

髪の薬膳を発信する理由


主に髪の薬膳について発信されていますね。

抗がん剤を使っている時、髪の毛はもちろん、まつ毛も眉毛も全部抜けました。すごく不思議なんですけど、病気を告知された時もショックだったんですけど、治療で髪が抜けるって言われた時のショックがすごく大きくて、やっぱり髪ってすごく大事なんだなと実感しました。

髪が抜けた姿を公表する方もいらっしゃいますけど、私は抜けている姿を人に見せることができず、抜けたことを人に言えないほどショックだった。そんな経験をしているからこそ、髪で悩む人の力になりたいと毛髪診断士の資格を取りました。今は某発毛クリニックでカウンセラーもしているんですよ。

どういった髪のお悩みが多いですか?

35歳以上の世代に多い悩みが、白髪・細毛・抜け毛などですね。女性で薄毛や円形脱毛症などで悩んでいる方もいらっしゃいますし、クリニックに来られる方の中には人目が気になって外に出られない人もいます。基本クリニックでは発毛剤など飲み薬の治療が中心になるので、しっかりお伝えするために薬の勉強もしています。


クリニックとは別に、個人で髪のカウンセリングもされているんですね。

私のホームページに「てまり式毛髪・体質チェック」のページを設置しています。そこで4タイプに分けてお伝えしているのですが、人によっては必ずしもピッタリといえない場合もあるので、じっくりお話してお悩みを改善できたらと。それがオンライン個別カウンセリングを始めたきっかけでもあります。

てまり式『体質・髪質チェック』|てまりofficialsite
健康法や美容法はいろいろありますが、自分に合っていますか? 体質、髪質、肌質が違えばケア方法も異なります。 誰かの良いは

カウンセリングシートをお送りして、体質・遺伝・生活習慣などをお聞きして、内側と外側のバランスを整える体質改善サポートをしています。薬に頼らず、食生活で少しでも改善できたらというご希望も多いので。

髪に悩む人に共通していることはありますか?

中医学で髪の毛は血の余りといいますけど、食事がとれていても末端まで血(栄養)が届いておらずめぐりが悪いかも?という方が意外と多いように感じます。私自身、心臓を悪くしているので血が末端まで行きづらいというのはすごく意識しているので、共感できるんです。そういった方には、血を補う食材や血の巡りをよくする薬膳をおすすめすることが多いです。

てまりさんおすすめ食材
  • ◆腎を補う「黒食材」
  • 黒豆、黒ごま、黒きくらげ、黒米、ひじきなど
  • ◆ 血のめぐりを良くする食材
  • サバやイワシなどの青魚、イカ、玉ねぎ、ネギ、にんにく、生姜、ニラ、らっきょう、黒きくらげ、黒酢、シナモン、アーモンド、紅花、ローズ、桃、紅茶など

しんどい時にふと思い出してもらえる存在になりたい


SNSの他に、LINE公式アカウントで美髪・美肌を育む情報を発信されていますね。

読者の方と繋がりを強く持てたらと思い、LINEを始めました。今いちばん伝えたいことをギュッと凝縮しています。美容に興味がある方、食に関心のある方、不定愁訴にお悩みの方など色々な方が読んでくださって、より個人的にご相談したいという方には、個別カウンセリングをさせていただいています。

私自身、強制されることが好きじゃないので、心地よさを大事に『無理なく楽しく心地よく』をテーマに発信しています。みんなもう充分頑張っています。無理せず、自分のペースでいいんです。私の発信も気にとめるくらいでOKです(笑)。しんどいときに、ふと思い出してくれるような存在でありたいです。

薬膳を通して伝えたいことは何でしょうか?

意気込んで薬膳を作るというより、薬膳が日常の一部になるとうれしいなと思っています。おばあちゃんの知恵袋のように、今日は重だるいから〇〇は控えよう、元気をつけたいから〇〇を多めに摂ろう…というように。

「これは食べてはダメ」ではなく、パンを買うなら全粒粉パンに、スイーツ食べるなら砂糖なしの飲み物に、お酒を飲むなら赤ワインになど「ベスト」じゃなくて「ベター」な選択を楽しみながらできたら最高ですね。 私自身は30歳を超えてから薬膳を本格的に始めましたが、続けることで身体や心、美容の状態が変わってきました。『何かを始めるのに遅すぎることはない』と伝えたいですね。

病気を始め、いろいろな経験が今のてまりさんに繋がっていると感じました。

薬膳で起業したい、活動したいと目標を持って頑張っている方が多いと思うんですけど、私はその時に「求められてることをやろう」と思っています。その時お声がけいただいたことを、ひとつひとつ一生懸命やるという感じです。現在は漢方や毛髪のコラム執筆、薬膳講座の講師業や審査員など、幅広くお仕事させてもらっています。キョウさんにも「いつか会えるかも」じゃなくて、本当に「今を生きる」というので、今しかない!とお声がけさせてもらいました。

美髪関連のコラボ商品開発や薬膳レシピの開発・販売、料理教室やレシピ本などやりたいことはたくさんありますが、将来は何をしたいのか、まだはっきり決めてはいません。自分らしく無理せずに、求められることを大切にやっていきたい。 この先も、いろんな変化に応えて、しなやかに生きていけると良いなと思います。

ありがとうございました。


現在は薬膳講座講師やカウンセリング、コラム執筆などを手がけるてまりさん。今回のインタビューは、ヘアケア関連のお仕事で京都に来られる際にお声がけいただき、実現しました。

髪の薬膳を中心にさまざまな活動をされていますので、気になった方はぜひSNSチェックやLINE登録をどうぞ。

お気に入りの漢方薬・薬膳メニュー
  • 方剤:十全大補湯
  • 薬膳メニュー:山芋ポテト、美髪ペーストなど
  • 食材:山芋、黒胡麻、黒豆など
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