もっと薬膳を勉強したい!それなら薬草園に行こう

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こんにちは、キョウです。先日、京都府の薬膳講座の課外授業に行ってきました。薬草の勉強は薬膳にも役立つ!ということで、今回は簡単にそのレポートをしたいと思います。

行ってきたのは、京都市左京区花背にある「京都薬草の森公園」というところ。

天然薬用資源開発機構

薬草などの天然資源の研究などを行う「天然資源開発機構」によって運営されている公園です。花背といえば、京都市内(左京区)なのに、京都駅からバスで2時間…。遠い〜〜!かなりの山です。ではさっそく薬草の森の植物をご紹介していきます!

薬になる「木」編

サンシュユ〈山茱萸〉

小さな赤い実がなる山茱萸。12月ごろになると実が落ちて、お酒に漬けて果実酒にするそうです。中医学で山茱萸は、もれる精を止め、陰も陽もどちらも補うため老化防止にとてもよく、六味丸や八味丸などに使われます。

ハマナス〈玫瑰花〉

ハマナスの花は玫瑰花(まいかいか)、実はローズヒップ。花は終わっていたので実だけを見ることができました。

玫瑰花はとてもよい香りで気と血をめぐらせ、生理不順などにもよい効果があります。

トチュウ〈杜仲〉

ダイエット茶のイメージがある杜仲茶。お茶には杜仲のを使いますが、生薬には樹皮を使います。杜仲は強壮強精、老化による足腰の痛みを緩和するなどの効能が。杜仲の木は害虫が寄り付かないぐらい強く、恐竜時代からあるそうですよ。(息子情報)

キハダ〈黄柏〉

樹皮は黄柏(オウバク)という生薬で、黄色なのでキハダと呼ばれます。熱を取る作用があり、知柏地黄丸や黄連解毒湯などに使われています。

薬になる「草」編

イノコズチ〈牛膝〉

「牛膝ゴシツ」といえば牛車腎気丸などに使われる生薬ですが、えっ、この草だったの…!?昔から良く知ってる、その辺に生えてる草でビックリ。生薬になるのは根です。名前の「牛膝」は、牛の膝のように強くなるからだそう。

ゲンノショウコ


ドクダミ、センブリとともに日本の3大民間薬のひとつ。どんな下痢にもよく効き、特にしぶり腹に効果があることから「現の証拠」という名前になったとか。花も種もかわいいんですよ。

イタドリ〈虎杖根〉

虎杖って書くと呪術廻戦を思い出してしまいますが(笑)、子どもの頃よくイタドリの茎をガジガジしていました。(しませんでした?)生薬名は虎杖根(コジョウコン)といい、通経、利尿に使われます。

オミナエシ〈敗醤根〉

秋の七草のひとつ、オミナエシも生薬になります。最近ではあまり使われないそうですが、婦人科疾患などによく使われていたとか。全体から醤油の腐ったような匂いがするので敗醤根といわれます。見た目はキレイなのに!

おいしい「食薬」編

ゴマ〈胡麻〉

薬膳でゴマ、特に黒ゴマは滋養強壮やアンチエイジングに効果がある食材です。

ゴマが植わっているのを初めて見ましたが、こんな風に行儀良く詰まってるんですね!ちなみに「ゴマの葉」も栄養が豊富。古代の薬草書・神農本草経にはゴマの葉は「青蘘(せいじょう)」として記載されています。

シソ〈蘇葉〉

おなじみシソは薬膳でも重宝される食材。発汗を促して風邪の初期に用いたり胃腸の機能を高めるなどの働きがあります。

シソの実は「蘇子」といいい、咳や喘息などに使われます。栄養学的にはオメガ3系脂肪酸のαリノレン酸が豊富なので、毎日お味噌汁などに入れるととても良いと教わりました。おうちにシソがある方は、ぜひ!緑のしそでも、紫のしそでもどちらにも効果があるそうです。

ショウガ〈生姜〉

ショウガの中でも日本独自のショウガの一種、金時ショウガです。一般的なものより小さいサイズで香りと辛みが強いのが特徴。ジンゲロールはヒネショウガの4倍量含まれているので、温める力が強い!

ハシバミ〈ヘーゼルナッツ〉

ハシバミってヘーゼルナッツのことって知ってました?日本にも普通にハシバミの木があるんですねー。「リトル・フォレスト」という映画で、主人公がハシバミの木から落ちた実でヌテラを作っているのを見て以来、憧れです。


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アケビ〈木通〉

アケビのツルも生薬になります。木通という生薬名は、ツルの中が筒状になっていて水分をよく通すからだとか。
ちなみに、先ほどのリトル・フォレストにアケビの実を料理して食べるシーンも出てきます。それがまためっちゃおいしそうなんですよ。

バリバリの「薬草」編

ワレモコウ〈地楡〉

こちらのかわいい花は、ワレモコウといいます。根の部分が地楡チユという生薬になり、止血剤として使われます。外用薬として皮膚炎にも使うそう。

オケラ〈白朮〉

ホソバオケラ(蒼朮)

オケラ(白朮)

いろいろな漢方薬に使われる白朮ビャクジュツ健胃薬としておなじみです。オケラ(白朮)ホソバオケラ(蒼朮)の2種類があるって見せてもらったのですが、いや…生で見ても写真で見てもほとんど違いがわからないー!生薬になる根の部分の見た目はだいぶ違うそうです。

ちなみに白朮には魔除けの力があると信じられ、お正月のお屠蘇に入っていたり、京都の八坂神社のおけら参りでは神事におけらが使われたりといった風習が残っています。

センキュウ〈川芎〉

こちらは一面の川芎畑。立っているだけで、独特の香りがふわ〜っと漂ってきます(漢方薬局の香り…)。川芎といえば月経不順や月経痛などの妙薬。また頭痛にも効果があり、「川芎茶調散」は有名ですね。(すべての頭痛に効くわけではありません)

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トウキ〈当帰〉

当帰といえば女性にうれしい生薬。医薬品として使われるのは根の部分ですが、葉っぱは食材として食べられるので最近ではハーブ感覚で当帰を育てる人も増えましたよね。育ててみたいと思いつつ、まだ実現できていません〜。

ごぼうの葉

現場は本当に山なので、ヒルがたくさんいたのがびっくり。足元まで上がってくるのでみんな大騒ぎでした(涙)山に行く時はぜひ、長め靴下+パンツの裾を入れるスタイルで行きましょう〜。

薬草園に行くメリット

いかがでしたでしょうか?薬草園で見てきた植物を簡単にご紹介しました。

ところで私は、薬膳の勉強には大きくわけて3つのカテゴリーがあると考えています。

  • ✔︎理論の勉強
  • ✔︎調理実習
  • ✔︎フィールドワーク

フィールドワークとは体感型の学びのこと。実際に薬草園を見に行くのもフィールドワークですね。こうやって薬草を見に行くのも勉強&体験!

薬草と薬膳はとても近い関係。中医学では薬と食べ物を分けない(食べ物も薬になる)と考えますし、薬草園に行くことは食薬の勉強になります。また、見たこともない生薬を覚えるのはとっても大変ですが、どんな草花か知っているととても印象に残りますよね。

私自身、薬膳を学び始めてから初めて薬草園に行きましたが、すごく楽しいことに気がつきました。これは薬膳好きあるあるだと思うんですけど薬草に興味があるので「薬草を見てワクワクする」というマニアックな傾向…笑

薬膳に興味がある人なら、きっと薬草園は勉強になるはず。ぜひお近くの薬草園に足を伸ばしてみてくださいね。

キョウ
大学や企業の薬草園など、各地にあるようです。特色も様々だそうで、いろいろ行ってみたい〜


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