ここ最近猛暑が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。今日は中国で昔から伝わる養生「冬大根、夏しょうがで医者いらず」についてまとめてみました!
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実は夏は冷える?
「冬吃萝卜夏吃姜,不用先生开药方」
冬は大根、夏はしょうがを食べれば医者いらずという意味で、中国の伝統的な習慣です。
大根は体を冷やす。だから冬に食べる。
あら?薬膳的に見れば逆じゃない?そんな風に思った人もいるのでは。
確かに夏の養生薬膳ではきゅうりやトマト、ナスなど、体の熱を取る涼性の食材、そして冬は体を温める温熱性のものを食べるといいとされていますよね。
夏はジュースにアイスに冷たい麺、冷たいものを食べる機会がぐんと増えます。そしてエアコンの効いた部屋でごろごろ、暑いからと外出控えに…。するとおなか周りが冷える「内側の冷え」が増加。意外と夏は冷えるんですよね。そういった症状にぴったりなのが「夏しょうが」です。
- \夏冷えは昔もあった/
- 夏冷えは現代病かと思いきや、中国の宋の時代に書かれた本でも「冷たい氷や冷たいお粥を食べるのはダメ」「軒下の冷たい風に当たるな」というような記述があるそうです。
- 昔の人も冷たいものや涼風が好きだったんですね。それをやめようと注意しているのは今とあんまり変わらないですね。笑
なぜ夏にしょうが?冬に大根?
なぜ夏にしょうが、冬に大根がいいの?
冬大根、夏しょうがが知られた中国でも、理由までは知らない人が多いようです。
夏にしょうがの理由
- ①陽気を補う
- 夏、体は発汗のために毛穴が開きます。汗とともに陽気が排出され、体内の陽気は空っぽに。そこで陽気の成長をサポートするために、しょうがのような辛くて温める食材を摂ります。
- ②邪気を追い出す
- しょうがをとることで陽気を分散させ、冷えや湿気などの邪気を追い出すのに役立ちます。
- ③胃腸の働きを整える
- 夏は冷たい飲食などで胃腸機能が低下し、食欲もダウン。しょうがは胃腸の働きを高めて消化吸収を改善する作用があります。
冬に大根の理由
- 熱を取り消化を促進する
- 冬は食べ過ぎや運動不足、過剰な暖房などで体内に熱がこもりやすく、便秘や消化不良などを起こしやすくなります。
- そこで体の熱を取り消化を促進する大根を食べるとよいとされています。
夏は内冷え、冬は内熱
- ✔️夏は内側が冷えている【外熱内寒】
- →しょうがで胃腸をあたためることで、夏の炎上の勢いに適応しやすい
- ✔️冬は内側に熱がこもる【内熱外寒】
- →大根でこもった熱を取ることで、冬の閉蔵の勢いに適応しやすい
「冬大根、夏しょうが」は
伝統的な中医学の陰陽調和の理論と一致した食養生なんですね。
冬の大根についてはこちらもどうぞ↓
https://www.natugoyomi.com/post-7224/
「夏しょうが」の取り入れ方
✔︎しょうがや香味野菜を積極的に取り入れる
夏冷えでおなかの調子が悪い、体のだるさを感じやすいなど、もともと冷え性の人こそ「夏しょうが」を。
しょうがの他にもニンニク、にら、ねぎ、たまねぎなど辛味を持つ食材がおすすめです。体を冷やす夏野菜と組みわせれば、冷やす効果を和らげる効果も!
✔︎しょうがなつめ茶を飲む
「しょうがなつめ茶」も、夏冷え対策にぴったり。
特に冷え性の人、慢性的な下痢の人、エアコンの効いた部屋に長時間いる人、手足が冷たく感じる、腰痛がある人などに向いています。
- 作り方(約2杯分)
- しょうがスライス(皮はむかない)5g
- なつめ5個
- 氷砂糖適量
- 水500ml
- ①しょうがはスライスし、なつめはきれいに洗ってタネを取り除く。
- ②水を沸騰させ、しょうがスライスとなつめ、氷砂糖を入れて20分ほど煮る。
- 食べられるようであれば具も食べて大丈夫。
よく春〜夏に飲まれることで知られるしょうがなつめ茶ですが、冷え性の人の夏の冷え対策にも役立ちます。体調に合わせて取り入れてくださいね。
・しょうがに刺激性があるので飲み過ぎに注意。
・熱中症など熱っぽい人には逆効果になるので控えてください。
冬の冷えを治す三伏の冬病夏治についてはこちらもどうぞ。
https://www.natugoyomi.com/post-8149/
いかがでしたでしょうか?飲食以外の夏冷えの養生では、シャワーで済まさず入浴する、衣服の調整をする(3首を冷やさない)、カイロや腹巻きでおなかまわりをカバーするなど工夫してみてくださいね。