春先になると誰もが気になる花粉症。日本に住む3人に1人はなんらかのアレルギー症状があるといわれますよね。今日は花粉症の対策について、中医学の視点から興味深いお話を聞いたので、簡単に書いてみようと思います。
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花粉症に対する中医学的な考え方
「花粉症にはヨーグルトや甜茶がいい」などいろいろな情報がありますが、実は花粉症対策には「何を食べるか」よりも「何を食べないか」の方が大切。そんなお話を何人かの先生に聞きました。
花粉症を治すには夏が鍵
花粉症がひどくなるのは春。そこで多くの人が症状が出てから薬を飲んだり、もしくは用心して冬に対策を始めますが、花粉症をその春に根本的に治すのは難しいとか。
夏になると大体の人は症状が治まって、花粉症のことは忘れがちになります。でもそんな夏こそ、花粉症を根本的に治すには最適な時期なんです。
というのも、花粉症の原因は花粉そのものではなく、夏の間にたまった「水飲=水の代謝が悪くなり生じた病的物質」だから。これらはずっと体に潜り込むスパイのようなものです。
大きな原因のひとつが冷たい飲食
春の花粉症が終わった夏、アイスクリームやドリンクなどのキンキンに冷たいもの、冷たい麺などをたくさん飲食すると、さばききれない余分な水=「水飲」となって肺にたまります。
冷たいものだけでなく、
- ✔️甘いものや唐揚げなどの油物を食べる
- ✔️冷房の効いた部屋で汗をかかない生活をする
といったことも余分な水(宿痰)をためる原因に。
たまった水飲や宿痰は、秋冬を過ぎ、次の春になると花粉をきっかけに症状として出てきます。ずっとひそんでいた水飲が、外からやってくる花粉や風邪(ふうじゃ)と密通して、悪さをし始めるのです。
本当の原因は花粉だけじゃない
すべてのアレルギーは、外からの邪気を中に招き入れる宿邪(スパイ)がいることが原因。花粉症なら、体に潜んでいる水飲が、花粉といっしょになって暴れ出す。
つまり花粉が悪者ではなく、花粉はあくまできっかけ。本当に除かないといけないのは、飲食や生活習慣でできてしまった余分な水飲。花粉症は夏の生活習慣から見直すので、改善に1年近くかかる…ということなんです。
余分な水飲が次の春まで体にずっとたまっているもの?と思ってしまいますが、秋冬は邪気を追い出す勢いが弱くなるので、余分な水飲が残りやすくなります。
一見関係なさそうに思える夏の飲食が、花粉症と関係しているなんて…と思いませんか?私は意外に思いました。
花粉症を根本から治すために
食生活や生活習慣を見直す
- ✔️夏の冷たい飲食をやめ、食生活に気を付ける
- ✔️クーラーを使いすぎず、適度に汗をかく生活をする
もちろん夏だけでなく、日頃からの養生が大切なのは、たくさんの漢方の先生がおっしゃっています。
- 早寝をする
- 野菜をたくさん食べる
- 加工品やファストフードを控える
- 肥甘厚味(油もの・甘いもの・味の濃いもの)を控える
どれもが当たり前のことなんですが、意外と現代人はできていないことですよね。
そしてこんな三か条も教わりました。
- ①体を冷やさない
- 夏にアイスクリームを控えるのはもちろん、真冬にアイスクリームを食べるなんてもってのほか。
- ②水のめぐりをととのえる
- 運動する、お風呂に浸かるなどに気をつけて、めぐりのよい体に。
- ③腸内環境をととのえる
- 大豆食品や発酵食品などを取り入れる。
最後に
現代医学の視点から見ても、日本人に増え続けているアレルギーは食生活の変化が一つの大きな要因といわれています。特に言われているのが、砂糖や油脂、脂肪の多い食品のとりすぎ、香辛料の多用です。
いろんな先生方の意見を見ていると、花粉症の根本治療をするのは、やはり食生活をはじめ生活改善が大切だなあと感じます。
私自身も数年前までは、花粉症の症状がありました。でも規則正しい生活や、なるべく加工品を使わない食事などを意識することでいつの間にか治っていました。そんな経緯があるので、花粉症は食や生活改善で大きく変わると実感しています。
今回の中医学のお話は一つの参考ですが、花粉症が気になる方は、できることから生活改善してみてくださいね。