みなさん「ごま」食べてますか〜?薬膳でテッパンの食材といえば、山芋、なつめ、クコの実などがありますが、「ごま」もその一つ。特に秋冬の食養生にはごまが役立ちます。
「ごまをもっと食べたいけど、食べ方がいまいち分からない…」そんな悩みのために、今回は解決アイデアをまとめてみたいと思います。
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昔から重宝されてきたごまの薬効
中医学や薬膳ではおなじみの「ごま」。高い薬効があるとされ、昔から健康維持や美容のために使われてきました。漢方薬としても使われ、特に白髪など髪への薬効がよく知られています。西太后が薄毛で悩んだ時も、侍医が黒ごま入りの漢方薬を処方したのだとか!
明の時代に書かれた中医学の古典「食物本草」には、「長期に服用すれば脳の活動がよくなり長寿になる」、同じく明の「本草綱目」には「長期で服用すれば老いない」と書かれています。
「それなら毎日食べたい!」となるんですが、私は薬膳を始めるまで、ごまを使った料理って「ごま和え」ぐらいしか思いつかず、それほど頻繁に食べることもありませんでした。ごまの薬効を知った今では、エイジング対策のため毎日に取り入れています。
ごまの栄養をムダなく取り入れる3つのテク
ごまのことを調べてわかったのが「栄養たっぷりのごまの調理にはポイントがある」ということ。
そう、「外皮を砕く」です。
ごまは栄養豊富なのですが、外皮がかたくてそのまま食べても消化が悪く、栄養価が吸収されにくいのです。
そこでこちらの3つのテク。
- ①炒る
- ②擂る/切る
- ③練る
この3つのテクで、かたい外皮を破って食べやすくし、また栄養を吸収しやすくすることができるのです。では、3つのテクを使ったポイントとレシピをみていきます!
①炒る
フライパンでじっくりごまを炒ると、香りがよくなるだけでなく、外皮がはじけて食べやすさアップ!カリッと軽い食感になり、噛みごたえもよくなります。
\炒ってできるレシピ/
エイジングふりかけ
- ■材料(作りやすい分量)
- ごま(白・黒それぞれ)…60g
- 干しエビ…大さじ1
- ごま油…小2
- さとう…大さじ2
- しょうゆ…大さじ2
- ■作り方
- ①フライパンにごま油を中火で熱する。
- ②ごまを入れ、混ぜながら焦げないように炒る。
- ③エビを加え、さらに炒る。
- ④砂糖、しょうゆを加えて汁気がなくなるまで炒めたらできあがり。
レシピについて
このふりかけは、我ながら自信作!いつも作って朝食のおともにしています。香ばしくてごはんがモリモリすすむ上、比較的安価でできるのがお気に入り。アレンジとして昆布を入れてもおいしいです♪しょうゆと砂糖の割合はお好みでどうぞ。砂糖を多めにすると、ねっとりじゅわっとした食感になり、少なめにするとサラサラと香ばしい仕上がりになります。
ポイント
●黒ごまと白ごま、両方を使って栄養バランスアップ。
●ごまの他に「干しエビ」を少し加えるのがコツ。薬膳で黒ごまと白ごまは「腎陰(うるおい作用)」を補うのですが、干しエビは「腎陽(あたためる作用)」を補います。陰と陽は表裏一体のため、腎陰だけを補うよりも、同時に腎陽を補うことで薬膳効果が高まります。ただし、陽である干しエビの量は少なめに。
エビを入れるのがコツですが、量はごまよりも少なくしてくださいね。
②擂る(する)/切る
炒りごまより粒が細かくなり、さらに栄養の吸収がよくなる「すりごま」。すりごまは本来、炒ってその都度擂るといいのですが、割と大変な作業です。「それはちょっと…」という私のような人は、ぜひ市販のすりごまを使ってください!ちなみに「切りごま」は、炒ったものを包丁で切ること。すり鉢がない人にもおすすめです。
\擂ってできるレシピ/
すりごまチャイ
- ①耐熱カップに牛乳を入れて電子レンジで温める。
- ②すりおろししょうが、はちみつ、すりごま、お好みで黒こしょうなどのスパイスを加えて完成。
ごまは完全に溶け切りませんが、適度なプチプチ感がおいしいです♪
ポイント
●パッと作れるので、毎日のティータイムにすぐに取り入れられます。
●すりごまだけでもいいのですが、黒大豆きなこも加えればさらにエイジング効果を狙えます。薬膳で黒いものはエイジングケアによいとされているので、黒ごまと黒大豆を合わせて使うことでいつまでも若々しく♪
●黒大豆きなこ×ごまがミックスされた市販品もあります。
ごまの割合が少ない場合があるので、「追いごま」をしてもいいですね。写真は黒大豆のきな粉で、スーパーなどにも売られています。
③練る
最後は練りごまです。ここまでマスターしたら、かなりのごま上級者!と思うのですが、練りごまは基本、炒って、擂って、練る…この3工程になります。これ、とっても大変。なので私は文明の利器「フードプロセッサー」に頼ります!これを使えば、簡単に練りごまにすることができます。もちろん、持っていない方はすり鉢でも大丈夫です。
\練ってできるレシピ/
美養ごまペースト
- ①すり炒りごま(黒)、松の実、くるみを2:1:1の割合でフードプロセッサーにかける。
- ②はちみつを少量混ぜて完成。
- (こちらは、楊敏先生やなおみん先生のレシピを参考にさせていただきました。)
かんたんバージョン
①黒ごまペーストにはちみつを混ぜて完成。
ポイント
●おやつに食べたり、パンに塗ってもおいしい美養ごまペーストです。潤いを補うので、美肌髪ケアになるだけでなく、便秘対策にもなります。
●フードプロセッサーを使う場合は、材料が全部砕けてからしばらく混ぜ続けてみてください。最初はツブツブが残った状態ですが、ある瞬間に突然「とろ〜っ」とオイルが浮いたなめらか質感になるんです!
はちみつを入れてないのにこの状態。ここまで来たら、ごまの栄養を十分に吸収できそうですね!はちみつを加えればデザートやおやつになりますが、甘みを加えずに、和え物の和え衣として使ってもいいですね。
毎日ごまを食べて美養生活
ごまをおいしく食べる①炒る②擂る/切る③練るテク、いかがでしたでしょうか?
それぞれのかんたんレシピもぜひ役立ててください!毎日のごはんやおやつにごまを食べて、いつまでも若々しくいきましょう!
ちなみに、黒ごまと白ごまの違いは、栄養学的には黒ごまにアントシアニンが含まれていることがあげられます。薬膳では、白ごまが寒性(体を冷やす)となっているので、例えば熱がこもっている人の便秘などに役立ちます。
性味 | 帰経 | 働き | |
---|---|---|---|
黒ごま | 平、甘 | 肝、腎 | 滋補肝腎・養血益精、潤燥滑腸 |
白ごま | 寒、甘 | 肺、脾、大腸 | 清熱滑腸、行気通脈 |
※薬膳素材辞典参照
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コメント
はじまして。
キョウさんのブログで、挑戦してみます。
中医薬膳師、定年近いから苦しむでしょうね。
レシピを考えブログで紹介し続けていることに、
尊敬の念、。凄いです。
ひかるさん
コメントありがとうございます♪これから中医薬膳師にチャレンジされるんですね!
薬膳を勉強する人は、若い人よりむしろ40代以降の方が多い印象です。
苦しむより楽しいこともたくさんあるので、ぜひ前向きにチャレンジしてくださいね(^o^)