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スパイスカレーは薬膳になる
「カレーは薬膳!」なんてよく聞きますが、それって本当?と思ったことはありませんか?
薬膳の視点から見ると、半分は本当で、半分は「?」なんです。
カレーと言っても使っている具やスパイスで効能が変わりますし、食べる人の体質に合っていなければ、薬膳とは言い切れないからです。
でも、使う具やスパイスによってはカレーは立派な薬膳になるんです♪
特にスパイスを使った「スパイスカレー」は、ジメジメの梅雨の食養生にぴったり。
スパイスカレーって作り方がとても難しいイメージですが、スパイスカレー初心者の私も、手作り薬膳スパイスカレーに挑戦してみました!
梅雨のスパイスカレーに使いたい薬膳食材
具の選び方
まずは具選びですが、ふつうのカレーのように「じゃがいもとにんじんと玉ねぎ」ではなく、ちょっと工夫が必要です。梅雨の食養生の基本は、「余分な水分を取る」「胃腸をいたわる」がテーマ。このテーマに合った食材を中心に選んでいきます。
胃腸の元気チーム
梅雨のジメジメで弱りがちな胃腸に元気をプラスします。
香り食材チーム
香りのものは気のめぐりをよくして、じめじめの湿を取り除く働きがあります。
利尿効果チーム
利尿作用によって余分な水分を排泄しやすくします。
主にこの3つのグループから食材を選んで組み合わせ、梅雨の養生に合った薬膳を作っていきます。
スパイスの選び方
梅雨の食養生では「体をあたためる」「発汗・利尿させる」も大切なポイント。スパイスはそれぞれ効能が異なりますが、体をあたためるスパイス、発汗させるスパイスは梅雨の養生によく合います。
私はスパイスカレー初心者なので、市販のカレー粉(カレールウではありません)をメインに使うことにしました。私が使っているのは特製エスビーカレー。ターメリック、コリアンダー、クミン、フェネグリーク、こしょう、赤唐辛子、陳皮などが入っています。
これをベースに、どうしても入れたかったのが「カルダモン」です。カルダモンには香りで湿を取り除く働きがあるので、梅雨の時期にはぜひ使いたいスパイス。単純に私が好きだから、という理由もあります。笑
カルダモンの香りが好きで、チャイに使うので常備しているのです。むくみやすい体質なので、体が自然に欲しているのかもしれません!
薬膳カレーで使わない方がいいものは?
薬膳カレーでは、市販のカレールウはなるべく使わない方が◎。市販のカレールウには油脂や小麦粉が多く含まれています。特に梅雨の時期は、胃腸の負担になる「油が多い料理」は向いていません。
また、薬膳では基本的に加工品は使わないほうが良いとされています。その代わりにダシとなるものや、スパイス、素材の旨みを利用していきましょう。
豆と里いものカレー
まず作ってみたのは、メインの具材に黒豆・大豆・とうもろこし、牛肉、里芋と豆乳を使った「豆と里いものカレー」。豆類は利尿作用があり、牛肉は胃腸の元気を補い、里芋と豆乳は「痰(余分な水がネバネバしたもの)」を取り除きます。ダシ分を補うために、昆布も投入。薬膳で昆布は痰を取る働きをします。
しょうがとタマネギを炒め、香りが出たらカルダモンとカレー粉を加えて炒めるのがポイント。
具材を入れ、水と豆乳でしばらく煮込むと、里いもの粘りで自然にとろ〜りとしてきます。あとは味つけして完成♪(レシピのまとめは最後に書いています)
薬膳の組み合わせの思いつきだけで見切り発車した割には、まずまずの出来。家族もおいしい!と食べてくれました!
…こうなると、こだわりだすのが私。笑 熱しやすく冷めやすいタイプです。
枝豆と鶏肉のカレー
次に作ってみたのは「枝豆と鶏肉のカレー」。具は「豆と里いものカレー」と同じように、梅雨の時期に適したものを選んで使います。
今回増やしたのが、スパイスです。市販のカレー粉をベースにすることは変わりないのですが、さらにこだわって、いろいろ加えてみることにしました!
今回のスパイスはこちら。
- カレー粉
- カルダモン
- クミン
- コリアンダー
豆と里いものカレーに使った市販のカレー粉、カルダモンにプラスして、コリアンダーとクミンをプラス。というか、すでにエスビーのカレー粉の中にはコリアンダーとクミンが含まれているんですよね。でも、より風味を楽しむため、あえて足してみることにしました。
ターメリック、カイエンペッパー(チリペッパー)、コリアンダー、クミン、ガラムマサラ
この5種類を使うことが多いようです。
話を「枝豆と鶏肉のカレー」に戻して。まずはあめ色玉ねぎを作ります。
油を熱して玉ねぎをじっくり炒めていきます。
途中で塩をぱらっとふると、水気がよく出てあめ色に近づきます。
あめ色になったら(ちょっと炒め具合が少なかったかな?)、塩とトマトを投入。
スパイスも加えて炒めます。
鶏肉も投入。色が変わるまで炒めます。
水を入れて煮込んだら、豆、黒糖少々も入れて仕上げです。
ダシとして、少し削りがつお粉を入れてみました。(なくても大丈夫です)
出来上がり!
前回よりもシンプルな味つけで、しっかりおいしくなりました♪
まだまだカレーの世界の入り口に立っただけですが、スパイスカレーの楽しさを知ってしまったような…笑。
レシピまとめ
豆と里いものカレー
レシピ(分量5〜6皿分)
- 〈具〉
- タマネギ(みじん切り)…1/2個分
- 牛肉…150g
- 黒豆(水煮)…100g
- 大豆(水煮)…100g
- 里芋…240g
- とうもろこし…120g
- しょうが(すりおろし)…1片
- 油…大さじ1
- 昆布…5cm程度
- 豆乳…2カップ
- 水…1/2カップ
- 〈味つけ〉
- 塩…小さじ2
- 黒糖…小さじ1
- みそ…大1
- カルダモン…小さじ1
- カレー粉…大さじ2
- ①しょうがとタマネギを炒め、香りが出たらカルダモンとカレー粉を加えて炒め、牛肉も加えて炒める。
- ②豆と里芋、細く切った昆布を加え、水と豆乳を加え、20分ほど煮込む。(豆乳が吹きこぼれないよう注意)
- ③里いもの粘りで自然にとろみがついてきたら、塩、黒糖、みそで味つけして完成。お好みでパクチー、らっきょうを添える。
枝豆と鶏肉のカレー
レシピ(3〜4皿分)
- 〈具〉
- タマネギ(みじん切り)…1/2個分
- 鶏肉(もも)…200g
- 大豆(水煮)…200g
- 枝豆(むき実・冷凍)…80g
- トマト…1個
- しょうが(すりおろし)…1片
- にんにく(すりおろし)…1かけ
- 油…大さじ1と1/2
- 水…1.5カップ
- 〈味つけ〉
- 塩…小さじ1/2
- 黒糖…小さじ1
- カレー粉…大さじ1
- カルダモン…小さじ1
- コリアンダー…小さじ1
- クミン…小さじ1
- 作り方
- ①フライパンに油を熱し、玉ねぎをあめ色になるまで炒める。
- ②しょうが、にんにく、スパイス、塩を入れて炒める。
- ③ざく切りしたトマトも加えて炒める。
- ④鶏肉を入れて色が変わるまで炒める。
- ⑤水を入れて煮込み、豆と黒糖も加えて煮込む。
- ⑥仕上げに枝豆を入れてサッと煮込んで完成。
スパイスのまとめ
今回はカレー粉を中心に4種類を使いました。
- ●カレー粉…血のめぐりをよくするターメリックなどを配合。
- ●カルダモン…香りで湿をとばす作用がある。
- ●クミン…胃腸のはたらきをよくして消化を促進する。
- ●コリアンダー…香菜(パクチー)の種の部分。消化促進作用に優れ、整腸や滋養強壮作用も。
このほか、小茴香(フェンネル)なども体を内側から温めるのでおすすめ。
付け合わせのらっきょうは気をめぐらせて湿を取り除き、パクチーは体を温め発汗作用で湿を取り除きます。
生のパクチーはカレーにとても合いますが、食べ過ぎは要注意。特に、暑がりの人や妊婦さんや幼児は控えめにしてください。
スパイスカレー、子ども用はどうする?問題
スパイスカレーは辛くて子どもは食べづらいですし、興奮しやすい子どもにスパイスは控えめにした方がよいとされています。我が家でも、中学生の娘はスパイスカレーを食べますが、小学校低学年の息子は食べられません。
ちょっと面倒ですが、材料を切った時点でふたつの鍋に分け、カレールウで作る子どもカレーとスパイスカレーに分けて作っています。
スパイスを後入れにして、材料をすべて煮込んでからふたつの鍋に分け、片方にスパイス、もう片方にカレールウを入れる方法ならもっと簡単です。(スパイスを炒めることができなくなってしまいますが…)
作る側は大変ですが、工夫してみてくださいね。
食べるもので体の除湿を
今回は梅雨の時期の食養生になるスパイスカレーをご紹介しました。おいしくて、体の余分な水分を取ってくれるカレーで体の「除湿」、ぜひトライしてみてください♪ただ、今回作ったカレーもそうですが、ふだんから乾燥気味で暑がり・のぼせ気味の人には向いていませんので控えめにしてくださいね!
スパイスカレー沼は深い!一度ハマったらどこまでもゴールにたどり着けないですよね。笑 いつかはアジアにカレー留学してみたいです♪
挑戦してみたい…
なんて思っています!