小学校の新学期が始まり、PTAで教室のおそうじ手伝いに行ってきました。今日はそこからふと思ったこと、わが家のことについて書いてみたいと思います。
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アレルギー体質
ある女の子が「窓拭き、手伝う!」と言ってくれたので「じゃあお願いします!」と取り掛かった途端、その子がくしゅんくしゅんとくしゃみを始めました。
「あれ?ほこりアレルギー?」と聞くと、「うん。ほこりアレルギーだし、他にも寒暖差アレルギーもあるよ」とのこと。慌てて「じゃあ無理しないで、手伝わないでいいよ」と止めたんですよね。
うちの子もそうだけど、今本当にアレルギーの人って多いですよね。上の子も下の子も、クラスの誰々が○○アレルギーで、という話をよくしています。それが食べものアレルギーだったり、寒暖差アレルギーだったりとアレルギーの種類は様々なんだけど、私が小さいときは、そんなにアレルギーの子っていなかったような。「日本ではアレルギー体質の人が増えている」という話、妙に納得しています。
中医学の先生に教わったこと
一般的にアレルギー対策というと「アレルギー源になっているものを除去する」または「うまく付き合う方法を見つける」ということだと思います。
中医学だとちょっと考え方が違います。
私が習っている中医師の先生は、興味深い考え方を話してくださいました。
「アレルギーは『宿邪』が原因」と。
体にたまった邪気のこと。飲食したものがうまく消化できず、体に影響を及ぼす「邪気」に変化してたまり、体内に滞留している状態。
先生によると、宿邪が体内にあると、外邪(外からの不調の原因となるもの)を呼び寄せやすく、発症や発作を起こしやすい。
そもそも原因としてあるのは「胃腸の弱さ」です。
胃腸の運化力(食べ物を変化させ運ぶ力)が弱いと、宿邪がたまりやすい。そして宿邪があると、外からの原因物質を呼び寄せ、アレルギー症状として出やすい。(胃腸だけでなく五臓すべてが関係しています)
なぜ胃腸が弱くなるのか?体質もあるけれど、食べるものにも大いに原因があるでしょう。
先生によると「アレルギーは、アレルギー物質が本当の原因ではない。もともと潜んでいる宿邪が外からの刺激と結びついて起こるので、花粉症でもアトピーでも考え方は同じ」。
そしてその改善方法としては、やはり食べ物です。 特にアトピー性皮膚炎の場合は、飲食の改善…中でも夏の飲食、特にアイスクリームや冷たい麺などを控えることで、かなりの部分が改善できるとのこと。
今日食べたものが明日の体を作る
この春、アトピーをものすごく悪化させてしまったわが家の娘、この夏はその食生活を実践してみることにしました。(わが家では、娘のアトピーは西洋医学に頼らず、食養生と漢方を使った薬で治すことを選択しています)
実践したのは
- ・胃腸にダメージを与えやすい冷たいものを食べない
- ・お菓子・ジュースをとらない
- ・冷たい麺を食べない
今年はアイスクリームゼロでした。その代わりに、すいかなどのフルーツやきゅうりなどをおやつにしました。娘の場合、体に熱がこもっていると考えられるのでこれはよかったのではと思っています。
アクの強い山菜や野菜・小麦粉を使ったもの・甲殻類・カレーやスパイスなど熱を生み出すものなど、漢方の病院で言われたものもなるべく控えました。
アトピーは飲食不節だけでなく、ストレスなど七情内傷(精神的な原因)も原因となりますが、アトピーがひどい時は本当に精神的にも参ってしまって、またアトピーが悪化して…と悪循環に陥っていたと思います。
それが娘本人だけでなく、私や夫、家族全員に影響して本当に暗かった。だからこそ、食事改善でどれだけ効果があるのか、できることはやってみよう。そういう境地でした。
人によっては「え?そんなこと?」と思われるかもしれませんが、中医学の考えは私にとってはとてもしっくりきたんです。なぜならやっぱり、人間は食べたもので体が作られているから。今日食べたものが、明日の体を作るから。
食べることは一生続く
娘は中学生で、もともとアトピー体質がありました。見た目も気になる年頃です。
自分の肌状態が悪化したことで、自分で食べるものをかなり意識するようになったけれど、お菓子をやアイスクリームを食べないという選択は、年頃の子にとってはとても辛かっただろうと思います。友達と遊びに行けば、買い食いもしたいだろうし、ジュースだって飲みたい。
だけど本人も肌をよくしたい一心で、食べたいものを我慢したり、自ら食べるものを調べたりするようになりました。添加物の多いものを食べたり、寝不足が続くと肌が荒れることを実感したことが大きかったと思います。
アトピーが体質的にあることは、親としてとても責任を感じ辛かったけれど、「自分が食べるものの大切さに気づけたこと」は、これからの彼女の食人生のためにもよかったと思うのです。
先日は娘ちゃんの誕生日。
アトピーが出ている間は
パンやパスタ、お菓子を一切やめたり
体にいい食べ物について調べたり…中学生だから本当なら
友達とお菓子を食べまくりたい頃。かわいそうな部分もあるけれど
食を考えるきっかけになっている。
それがきっと将来、本人の財産になると信じてる。— キョウ 国際薬膳師ライター (@natugoyomi) May 23, 2022
体質はずっと付き合っていかなければいけないもの。「これを食べたら調子が悪くなる」というものを知っておくことって大切です。
きっと、クラスの中で「きゅうりは体を冷ます」「かぼちゃは体をあたためる」など知っている子はいないと思います。コスメの話はしても、肌の状態と食べ物や生活習慣が結びついていることだって、知らないかもしれない。
なぜ冷たいものがダメなのか、なぜ寝不足がダメなのか。うちではそういうことを散々私が語っているので、自然に食育をしていたと思います(嫌がられるけど)。
生きることは、食べること。娘のこれからの人生の中で、薬膳や養生の知恵が役立てばいいなと思っています。食養生と漢方薬のおかげか、8月の時点でアトピーはかなりよくなり、ほとんど見た目にわからないぐらいになりました。
味覚の「帰る場所」を作る
小さい頃の食事は、その後の食人生のベースになると、私は考えています。
私自身も祖母や母の作ってくれた和食を食べ、おしるこやふかし芋がおやつだったから、今でもそういった食べ物が好きです。ファーストフードなどより手作りのものが好きで、煮物や漬物など素朴なものをよく作ります。特別に健康的なものにこだわっているわけではないのですが。
子どもが小さい頃に親がいくら健康的なものを食べさせていても、将来は友達とジャンクフードを食べに行くでしょう。コンビニやファストフードもたくさん利用するでしょう。でもそれでいいんです。
いくらそういうものを食べても、「やっぱり昔食べていたようなごはんが好きだな」と、きっと帰ってくる。そう思うんです。親の役目は「味覚が帰る場所」「将来の食のベース」を作ることだと、私は思っています。
そのために豪華でも何でもない、ふだんのごはんを今日も作ります。