薄荷やミントは生薬として漢方薬や薬膳でもよく使われる食材のひとつです。春夏はミントが爆発的に繁殖するので、もっと有効活用したい!というわけで、薬膳として役立つ使い方をまとめます。
Contents
鬱々しやすい春やストレス対策に
鬱々、モヤモヤ、イライラ。
脇腹が突っ張る、肩が張る、げっぷやガス、大きなため息…
春、そんな症状が出ていたら「肝の不調からくる気の詰まり」かも?
春は五臓の「肝」と関係する季節。
肝のバランスを崩すと、鬱々やイライラが出やすくなります。私もこの春は「自分はなんてつまらない人間なんだ」という謎の鬱状態に襲われました(笑) そんなモヤモヤ・ウツウツ・イライラ・張る症状にぴったりなのが「薄荷(ミント)」です。
薄荷の薬膳的パワー
薄荷(ミント)の特徴はなんといってもあの「スカッ」とした爽快感と香り。
中医学では 肝の働きをよくしてストレスを和らげる効果が。また「辛涼解表シンリョウゲヒョウ」といい、発散して熱を冷ます効果があるとされます。
薬膳的な効能
- ✔︎ストレス発散
- 気がうまく流れていない、詰まった状態を解消
- →鬱々した気分やイライラ、脇の張り、ため息などに◎
- →ストレスからくる生理不順や腹痛にも効果的
- ✔︎熱っぽさ解消
- →発熱や頭痛、喉の痛みなど熱の風邪っぽい時に◎
- →頭や顔のほてりが気になる時、体が暑苦しい時に
- ✔︎頭と目をスッキリ
- →爽やかな香りで頭を目覚めさせたい時に
- →スマホ、PCの見過ぎなど目の充血緩和にも
\こんな症状にも/
- ✔︎風邪をひいた時の口内炎に
- ✔︎頭痛をともなう鼻づまりに
1日3gほどを緑茶にブレンドして飲むと効果的です。
また、ミント特有の成分「メントール」には強壮作用、消化促進作用、鎮痛作用などの働きもあるとされています。
ハッカ油を少し塗るとスーッと爽快。昔の人は薄荷を眠気覚ましに使ったそうですが、ハッカ油を耳の後ろにつけるとびっくりするぐらい冷感がきます。
薄荷(ミント)はいろいろな品種がある
薄荷とミントは同じもの?
ミントの仲間はとても種類が多く、ミントの和名を「薄荷」という場合や、薄荷=ニホンハッカを指すこともあります。
一般的に手に入れやすいのは
「ペパーミント」「スペアミント」。
この二つの特徴を覚えておけば、実際に応用しやすいと思います。
- ✔︎ペパーミント
- スカッとするような清涼な香り。
香りの成分はメントールです。 - ペパーミントに含まれるミントポリフェノールには花粉症などのアレルギー症状を抑える効果があるといわれています。
- ✔︎スペアミント
- ペパーミントに比べると甘めの香り。
マイルドで料理にも使いやすいミントです。 - ベトナム料理などによく使われるのもスペアミントです。
それぞれのミントに含まれる成分は多少違いがあります。生薬として使う「薄荷」はメントールの含有量が多く、ペパーミント系だそうです。
↓市販のミントティーはペパーミントが多め。
こちらのミントティーはドイツ産。飲むとスーッとした清涼感があって、気分がスッキリします!
使い方ポイント
我が家でもペパーミントとスペアミントをよく使います。
私がこれまでいろいろ試して感じたのは…
「ミントは特に春から初秋の
飲み物にすると最高!」
ミントの一番使いやすい方法は、やはり「飲み物」だなあと。
あたたかいお茶のほか、夏の冷たいドリンクにも本当によく合います。ミントポリフェノールは水に溶けやすいので、お茶やドリンクは栄養的にもいいんです。
- ◆ミントの使い方はまず「飲み物」
- お茶やハーブウォーター、ノンアルカクテル風にしてもおいしい!
- ミントのドリンクに一緒に合わせる食材は
✔︎緑茶✔︎レモンやライムなどの柑橘類✔︎菊花✔︎クコの実✔︎ミント以外のハーブ - ↑これらが薬膳的にも相性抜群です。
基本のミントティーのいれ方
というわけで、まずは基本のミントティーのいれ方からスタート!
生のペパーミントを使っています。
- 材料(1杯強分)
- ミント5g(1枝分)
- お湯300ml
- 作り方
- ①ミントをちぎってティーポットに入れ、上から熱湯を注ぐ。
- ②5分ほど蒸らす。
- ③カップに注いで完成!
- ミントメモ
- ・ミントは茎も入れてOK。薬膳では「薄荷梗」といい、気の流れをよくする効果が強めです。
- ・緑茶とミントをブレンドすると、目や頭をすっきりさせ、鼻づまりに効果的なお茶になります。
- ・乾燥させたものを使う場合は量を1〜3gにしてください。
春の「風邪」対策に
ミント菊花茶
✔︎のどからくる熱タイプの風邪、花粉症などに。
ミントと菊花をブレンド。
合わせることで熱っぽさを発散、目の痒み、頭痛、のどの腫れなどに効果的。春のいらだち、躁うつ対策にもなります。
- 材料(1杯強分)
- ミント3g
- 菊花3g
- お湯300ml
作り方は基本のミントティーと同じです。
鬱っぽい症状に
ノンアルモヒート
✔︎鬱々した気分、更年期の熱っぽい症状に。
ミントに気をめぐらせる柑橘系を合わせたノンアルカクテル。
鬱々、イライラがある時や、ほてりや暑苦しさを解消。更年期で熱っぽい症状が出ている人にもおすすめです。
- 材料
- ミント3g
- ライム(レモン)薄切り2枚
- ライム(レモン)果汁適量
- 炭酸水適量
- シロップ適量
- 作り方
- ①グラスにミントの葉を入れ、適度につぶす。
- ②果汁、シロップを入れて全体を混ぜる。
- ③炭酸水を注ぎ、ライムの薄切りを入れる。
炭酸水を使うのもポイント。炭酸には気をめぐらせる効果があり、お腹の張りなどに有効!
ただし甘すぎるものや冷たいものの飲み過ぎは胃腸の負担になるので、氷抜きにするなど工夫してみてください。
ミント料理にチャレンジ
タイ風ミントポークライス
✔︎春から夏にぴったりの、さわやかな一品。
ミントで熱を取り、豚ひき肉で潤いを養うタイ風のレシピ。タイ語では「ラープムー」といいます。最初は「ミントを料理に!?」と感じるかもですが、爽やかで暑い日も食がすすみます。こちらはスペアミントを使用しました。
- 材料(2〜3人分)
- 豚ひき肉200g
- 紫たまねぎ1/2個
- ミント10g
- にんにく1かけ
- ごま油大さじ1
- 〈A〉
- ナンプラー大さじ2
- レモン果汁大さじ2
- 砂糖小さじ1
- 作り方
- ①フライパンにごま油を熱し、刻んだにんにくを入れて炒め、豚ひき肉を加えてパラパラに炒める。
- ②①に〈A〉を加えて炒める。
- ③最後にミントを加えて、さっと混ぜ合わせる。ごはんにかけていただく。
日本ではミントを料理に使うことがあまりないのですが、東南アジアでは割と一般的。このレシピもアジア風ですが、意外と食べやすくおいしいので子供たちも喜んでいました!
またヨーロッパではグリーンピースとミントの組み合わせが定番だそうです。←ゆくゆくトライしてみたいと思います!
ミントを大量に使いたい
ミントがたくさんあって困る…という方のために、こんな使い方もどうぞ!
\いろいろ使って大量消費/
- ✔︎そうじ用のミント水に
・鍋に水とたっぷりのミントを入れて10分ほど煮出し、ミント水を作ってスプレーボトルに入れキッチンなどのそうじに。私はアルコールとブレンドして使っています。爽やかな香りになり、冷蔵庫や電子レンジのそうじ、ふきそうじなどに使えて便利。 - ✔︎お風呂の清涼剤に
生の葉を摘んでネットなどに入れ、浴槽に浮かべて。爽快な香りが気持ちいいです。 - ✔︎乾燥させて保存
ミントは乾燥させることで成分が濃縮されます。ただし時間がたつと成分が揮発するので、乾燥させてなるべく早く使い切ってください。
ミントの注意点
食養生や薬膳に役立つミントですが、気をつけておきたいこともあります。
- ミントの注意点
✔︎生の葉を取りすぎると胃痛や舌の痺れが出ることがあるので使いすぎない - ✔︎妊婦さんには使わない
- ✔︎虚弱で多汗の人は控える
- ✔︎体を冷やすので冷え性さんは量を控えめに
- ✔︎煎じる場合、有効成分や香りが飛ぶので長く煎じない
\おうちで育てる時は/
ミントは栽培しやすいハーブですが、庭に地植えすると爆発的に繁殖することで知られています。
ミントを育てるなら、鉢植えで!(我が家はすでに時遅し、地植えで繁殖しています)
また交雑しやすいので、他の種類と混ぜて植えないようにしてくださいね。
2ヶ月ほどブログ更新をお休みします。復活したらまたよろしくお願いします!